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「ビリオネア通り」にある超高級ペントハウスがオークションに

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Forbes JAPAN

Getty Images

ニューヨーク・マンハッタンのセントラルパークを望むペントハウスが、まもなくオークションにかけられる。この物件は、「ビリオネア通り(Billionaire’s Row)」と呼ばれる、超高級マンションが立ち並ぶ地区にあり、インテリアデザイン誌で受賞した内装デザインでリノベーションされることがすでに決まっている。最低落札価格は設定されていない。 現在は4000万ドルで売りに出されているが、リノベーション後の査定額は1億ドルと言われている。 オークションは2020年12月18日から22日にかけて、不動産会社コンシェルジュ・オークションズ(Concierge Auctions)を通じてオンラインで実施される。 設計図を見るとこの物件は、1930年代に建てられたハンプシャー・ハウスの37階から39階までの3フロアにまたがる。寝室5つ、バスルーム5つ、ハーフバスルーム(トイレと洗面所のみ)1つが含まれる予定だ。ハンプシャー・ハウスは、セントラル・パーク・サウス150番地に位置する高級コーポラティブハウスであり、部屋からはセントラルパークとミッドタウンのビル群が一望できる。 落札者には、インテリアデザイン誌で賞を取った内装が施された状態で引き渡される。リノベーション工事は、コーポラティブハウスの所有者たちが構成する組合の承認を得ており、建築許可も下りている。 ペントハウスは、室内面積が9650平方フィート(約897平方メートル)で、室外部分が1125平方フィート(約105平方メートル)。主寝室の外にはテラスがあり、眼下にはセントラルパークが広がっている。 売主のアーノン・カッツ(Arnon Katz)は、英国在住のアーティスト兼不動産投資家だ。記録によると、同氏は2014年、1800平方フィート(約167平方メートル)のアパートメントと合わせて、その上階2フロア分の開発許可を総額2200万ドルで購入した。その後、設計事務所SPANアーキテクチャ(SPAN Architecture)に内装デザインを依頼。同事務所が、高級物件を手がける建設会社シルバーライニング(SilverLining)とともに設計したデザインは、「インテリアデザイン(Interior Design)」誌の「2018 Best of Year Winner for On the Boards」住居設計部門で年間最優秀賞に選ばれた。 売主のカッツは、オークション実施を伝える声明で、「何年にもわたって情熱や知識、経験が注ぎ込まれた結果、設計とデザインが完成し、類まれなるこの物件を世に送り出すために必要な建築許可も獲得できた」と述べている。「これほどのものは、世界のどこを探しても存在しない。まさに正真正銘の特別な家だ。コンシェルジュ・オークションズの優れた世界的リーチと最高の人材を取りそろえたチームが、この家に最も適した買い手、つまり、この家と同様に唯一無二の存在で、その価値を理解し、堂々たるこのペントハウスを完成に導いて現実のものとするビジョンを持つ人物を、必ずや見きわめてくれると確信している」

 

 

 

 

 

安いと言われる維持管理費

ペントハウスの維持管理費は月額5000ドル。これはめったにないほど安い維持費だと話すのは、不動産会社ネスト・シーカーズ・インターナショナル(Nest Seekers International)のショーン・エリオット(Shawn Elliott)だ。同氏は、タル・レズニック(Tal Reznick)と、この物件を共同担当している。 「他の物件であれば通常は、固定資産税だけでも6万ドルを上回る」とエリオットは述べた。こうした維持管理費の金額は、37階というフロアに基づくものだが、リノベーション後も変わることはないという。 このペントハウスは、推測で1500万ドルから2000万ドルとされる建築・内装工事が完了したあかつきには、査定額が1億ドルに上るとされている。 「ごくまれにしか出会えない、格式の高い誇るべき不動産だ」とエリオットは言う。 建物の共有施設としてはジム、スパ、係員付き駐車場があり、過去には画家のフリーダ・カーロや、テノール歌手のルチアーノ・パヴァロッティが住んでいた。 SPANアーキテクチャのプリンシパル、ピーター・ペルシンスキー(Peter Pelsinski)は、「ニューヨーク市では、ほかに並ぶものがない物件だ」と話す。「ニューヨークを代表するデザイン建築を所有できる、またとないチャンスとなる」 超高級住宅のオークションは近年、急増している。売主が物件への注目を集めるようと努めていることと、高級物件市場で物件が飽和状態に達したことがその理由だ。

Lisa Chamoff