五木の子守唄 鮫島有美子
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熊本知事、川辺川ダム水没予定地の五木村訪問 建設容認後初
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熊本県五木村の村長や村議にダム建設容認に至った経緯を説明する蒲島郁夫知事(右)=同村で2020年11月23日午後4時29分、城島勇人撮影
熊本県の蒲島郁夫知事は23日、球磨川支流の川辺川でのダム建設で村中心部が水没する同県五木村を訪問した。村を訪れたのはダム建設容認後初めて。蒲島知事は村役場で、木下丈二村長らに「五木村の皆さんには大変な混乱を招き申し訳ない気持ちでいっぱい」と謝罪したうえで、村の振興を図るために県として新たに10億円の財政支援をすることを表明した。
川辺川ダム計画を巡っては、水没予定地内の住民の移転がほぼ完了していた2008年に蒲島知事が計画の「白紙撤回」を表明。村はこの間、水没予定地を利活用して観光施設整備などに取り組んできたが、県がダム建設容認に方針転換したことで、再び村中心部が水没する見通しになった。 蒲島知事は村役場でダム建設容認に至った経緯を説明し、白紙撤回から容認へと方針を転換させたことへの混乱を謝罪した。さらに蒲島知事は「これから先も末永く五木村で暮らせるよう私の政治生命をかけて支援と振興に取り組む」と強調。村の活性化に向けて21年2月の定例県議会で県五木村振興基金を10億円積み増すことを約束した。 県は、1966年にダム計画が発表されて以降、約半世紀翻弄(ほんろう)された村を再建する「ふるさと五木村づくり計画」を策定し、総額10億円の県五木村振興基金などで村の振興支援を続けてきた。その基金を10億円積み増すことになる。 蒲島知事の説明を受けた木下村長は「安定的な村づくりができるよう財政と人的な支援をお願いしたい」と話し「村振興計画とリンクするので流水型ダムの形も早く示してほしい」と注文した。
【城島勇人、栗栖由喜】