衝突1週間、停戦見通し立たず アゼルバイジャンとアルメニア

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時事通信

 

 

 

 

アゼルバイジャンとアルメニアの戦闘中、砲撃を受けて損壊した係争地ナゴルノカラバフの民家=1日(AFP時事)

 

 

 

 【モスクワ時事】

 

 

アゼルバイジャンとアルメニアの係争地ナゴルノカラバフをめぐる軍事衝突が発生してから4日で1週間。 

 

 

【関係地図】アルメニアとアゼルバイジャン  

 

双方の死者は200人近くと、1994年の停戦合意以降で最大規模の衝突となったが、トルコを後ろ盾とするアゼルバイジャンが強硬姿勢を崩さず、停戦の見通しは立っていない。

 

アルメニアと軍事同盟を結ぶロシアはトルコとの決定的な対立は避けたい考えで、苦しい対応を迫られている。  

 

 

 

衝突は9月27日に始まった。互いに「攻撃された」と非難し合っているが、30年近くにわたりアルメニア系住民に係争地を実効支配されていることに不満を募らせていたアゼルバイジャンがトルコの後押しを受けて「戦争を開始した」(ロシア誌エクスペルト)とする見方が強い。

 

ロシアが隣国ベラルーシの大統領選後の混乱や反体制派指導者ナワリヌイ氏の毒殺未遂をめぐり対応に追われているタイミングを見計らったとの指摘も出ている。  

 

 

 

 

アルメニアはロシアが主導する集団安全保障条約機構(CSTO)の加盟国。

 

CSTOは加盟国間で防衛義務があるが、北大西洋条約機構(NATO)加盟国のトルコと衝突するリスクに加え、既にシリアへの軍事介入などで余裕がないプーチン政権はアルメニア介入には消極的だ。

 

 

ロシアは米仏と共同で「即時停戦」を求めたり、停戦に向けた協議を仲介する意向を表明したりしているが、アゼルバイジャンは応じる気配を見せていない。  

 

 

一方、トルコは対決ムードをあおっている。エルドアン大統領は1日、停戦実現は「アゼルバイジャン領からアルメニアが出ていくかどうかに懸かっている」と主張。2日にはアゼルバイジャン軍が「前線で成功を収めている」と強調した。  

 

 

 

 

ロシアとトルコは近年、ロシア製ミサイルのトルコへの供与などで関係を深めていたが、今年に入ってからはシリアやリビアの内戦をめぐる立場の違いから不協和音も生じていた。

 

 

シンクタンク「ロシア国際問題評議会」のコルトゥノフ会長は9月30日の報告で、

 

ロシアとトルコの関係は「脆弱(ぜいじゃく)で矛盾を抱え続けている」と指摘。

 

今後、両国間の緊張が高まる危険性は高いと警告した

 

 

 

https://news.yahoo.co.jp/articles/1c36539b8f8ee7ab5e9cd46919c7c51f6b9103c0