老舗ホテル「ナゴヤキャッスル」一時休館 退職決めたホテルマン(69)『最後の夜勤』に密着
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建て替えのため、9月30日で51年の歴史にいったん幕を下ろし、一時休館となった「ホテルナゴヤキャッスル」。 名古屋の代名詞だったキャッスルを特別な思いで見つめるホテルマンがいました。
皇族や政財界も利用 名古屋を代表するホテル
「カーテン開けると、名古屋城がなんときれいなんだろうと思って。それがすごく目に焼き付いていたから『あ~これこれこれ!』って2人で言っていたの。まさにその部屋から見たのが40年前に見たのと同じだったから、うれしくて感動もひとしお」(新婚以来40年ぶりに宿泊した夫婦) 名古屋市西区、堀を挟んで名古屋城のすぐ向かいに位置する「ホテルナゴヤキャッスル」。
名古屋を代表するホテルとして格式が高く、政財界のコンベンションとしての役割を担ってきました。 皇族の方々が名古屋にお越しになる際に滞在されるホテルとしても知られ、当時の皇太子さまご夫妻、今の上皇さま上皇后さまも訪れました。
老朽化に伴う建て替えを経て、4年後に新しく生まれ変わる予定です。名古屋で憧れのホテルとして、たくさんの人に愛されてきました。名古屋の街で思い出を聞くと… 「結婚式をあげたところなんです。憧れでしたよね、あの頃は。名古屋で1番きれいな場所で」 「よくプールで遊びましたよ昔。あそこに泳ぎに行くのすごく楽しみで…思い出します」
キャッスル一筋51年のホテルマンの“最後の夜”
“閉館”前日の9月29日の夕方… 「ナゴヤキャッスル、最後の夜間自衛消防隊のミーティングを始めます」(点呼を取る尼子訓さん) 夜のホテルを統括する役割を担う、尼子訓(あまこ・さとし)さん、69歳。 51年前の開業から、キャッスル一筋というホテルマンです。 「今日1日“有終の美”を飾りたいと思います。よろしくお願いします」(尼子さん)
今回の休館に合わせて退職し、約半世紀のホテルマン人生に終止符を打つことを決めました。 長いホテルマン人生の間には、今だから話せる、肝を冷やす思い出もあったといいます。 「約40年前の夜に『爆弾を仕掛けた』といういたずら電話がありまして。新聞にも出ていないと思いますけど。警備とホテルのスタッフで館内全部見まわったのを覚えてます」(尼子さん
尼子さんの夜勤が明けた9月30日の朝。 玄関では、午後3時半から行われる、休館に向けたセレモニーのリハーサルが行われていました。 Q.セレモニーには参加されますか? 「セレモニーは失礼しようかなと思っています。多分平常心でいられないから…泣いてしまうかも」(尼子さん)
同僚たちのリハーサルの様子を、扉の内側からそっと見守る尼子さん。 ロビーでは、最後に尼子さんと一緒に写真を撮る客もいました。 「実は先週生まれて初めてキャッスルに泊まって…キャッスルの建物と、名古屋城がお話しているような光景を見て、私なりにもお別れができたかなと」(キャッスル近くに住む人)
キャッスルでのホテルマン人生…「最高でした!」
尼子さんの勤務時間の終わる午前9時半になりました。尼子さんのキャッスルでの51年も、終わりました。 思い出の詰まったロビーには、キャッスルを愛してくれたお客さんの姿がありました。 「さあこれで勤務を終わらせていただきます。ありがとうございました」(尼子さん) 帰途に就こうとする尼子さんに、最後に聞いてみたいことがありました。 Q.ホテルマン人生はいかがでしたか? 「最高でした!幸せです」(尼子さん) 1969年開業の「ホテルナゴヤキャッスル」。人生の門出の場として、多くの市民に愛され、私たちの思い出と共に残ります。 (10月1日 15:40放送 メ~テレ『アップ!』より
https://news.yahoo.co.jp/articles/9942ec203a856b0174c075b3da75cfae131b4942?page=2