Chromebookを買って使って予感したAndroidタブレットの衰退

戸田 覚

 

ビジネス書作家

 

戸田覚のIT辛口研究所

 
 
 
 
 
 

先日中国Lenovo(レノボ)のChromebook「IdeaPad Duet Chromebook」を購入した。6月に実機をメーカーから借りて本連載でレビューしたが、その後自分用に購入したのだ。このChromebookを使ってみて、僕は「AndroidタブレットはChromebookに置き換わるのではないか」と感じた。今回はその理由を述べたい。

 IdeaPad Duet Chromebookはキーボードが脱着可能な2in1タイプのChromebookである。ディスプレーサイズは、タブレットでもかなりメジャーな10.1インチだ。家電量販店の通販サイトで購入して、価格は税込み4万1780円だった。専用のキーボードが付属しての価格なので割安に感じた。

IdeaPad Duet Chromebook。専用のキーボードが付属する

IdeaPad Duet Chromebook。専用のキーボードが付属する

(撮影:アバンギャルド、以下同じ)

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PCとして使うときは、背面のカバーをスタンドにする

PCとして使うときは、背面のカバーをスタンドにする

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Androidアプリが快適に使える

 Chromebookはクラムシェル型が主流だったが、ここへ来て回転式のモデルや脱着式のタブレットタイプが目立つようになっている。その理由として大きいのは、Google Play ストアからAndroidアプリをインストールして使えるようになったことではないかと僕は考えている。なお、Chromebookの中にはAndroidアプリをインストールできない機種があるので、購入する場合は事前に確認してほしい。

Google Play ストアから多くのアプリをインストールできる

Google Play ストアから多くのアプリをインストールできる

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 ご存じの通り、Androidはタッチ操作が基本だ。マウスやタッチパッドでもある程度は使えるが、快適さがだいぶ違う。

 大きな画面を持ちタッチ操作で使いたいとなると選択肢はタブレットになる。だがAndroidタブレットはiPadに完敗している状態で、最近は新製品も以前ほどは出てきていないように思う

 

 

 

 

 

 

 

 

Windowsを搭載し、タッチ操作が可能な2in1もあるが、タブレットとしては魅力を感じない。タッチ操作だけで使えるアプリが少ないからだ。

 これに対してChromebookは、タッチ操作が前提のAndroid向けアプリが多数ある。IdeaPad Duet Chromebookのようなタブレットとしても使えるChromebookであれば、まさにAndroidタブレットと同じように利用できるのだ。この点がとても魅力的だと僕は思う。

キーボードがない状態だとAndroidタブレットのように見える

キーボードがない状態だとAndroidタブレットのように見える

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ブラウザー画面は指で操作できる

ブラウザー画面は指で操作できる

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操作感はパソコンである

 さらにChromebookは、Androidアプリをウィンドウで利用できる。パソコンのように、複数のアプリをウィンドウで開いて併用可能なのだ。Google Play ストアからインストールしたAndroid向けアプリも、多くがウィンドウ表示に対応している。ただしゲームなどは、非対応のものも結構あるので注意が必要だ。

 例えばGoogle Keepでメモを取りながら、別のウィンドウでブラウザーを起動してWebを閲覧できる。必要であれば、3つ目4つ目のウィンドウを開くことも可能だ。

複数のウィンドウを開いての作業が可能だ。写真はWebブラウザーとGoogle Play ストアを開いているところ

複数のウィンドウを開いての作業が可能だ。写真はWebブラウザーとGoogle Play ストアを開いているところ

 

 

 

 

 

パソコンより軽快なところがよい

 そもそもChromebookは、Chrome OSを搭載したパソコンである。Windowsではないので不満を感じる部分もある。例えばMicrosoft Officeは、Android向けやオンラインのアプリしか動作しない。ライトな使い方しかできないわけだ。

 別の見方をすれば、軽快に使える魅力があるとも言える。性能が高くないWindowsパソコンより軽快に動作する。IdeaPad Duet Chromebookは、Webブラウジングの際に指でスクロールしながら操作できるのも便利だ。

 パソコンと同じように、外付けモニターを接続して広い画面で使える機種もある。IdeaPad Duet Chromebookの場合、メーカーであるレノボは「接続するモニターによっては表示できない場合がある」としているが、僕の手元の環境では問題なく使えた。

 実際に使ってみて、今後は2in1タイプのChromebookをAndroidタブレットの代わりに購入する人が増えていくだろうと感じた。パソコンとしても使えるし、Androidタブレットの代わりにもなる。「ゲームや動画視聴などが中心で、たまに仕事もする」といった使い方には結構マッチするのではないだろうか。

外付けモニターを利用して広い画面で快適に使うのもよいだろう

外付けモニターを利用して広い画面で快適に使うのもよいだろう

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戸田 覚(とだ さとる)

ビジネス書作家。株式会社アバンギャルド/株式会社戸田覚事務所 代表取締役。ブログ、著書累計150冊以上、連載25本。IT関連、パソコン、プレゼン、企画書、Webドキュメントなど、仕事に関する幅広い著書を持ち講演も多数。テレビ・ラジオにもレギュラー出演している。

 

 

 

https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00087/00143/?P=3

 

 

 

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