ダイキンやパナなど出資の「point 0」、個人ワーク特化型オフィス事業に参入へ
島津 翔
日経クロステック
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00154/01003/?n_cid=nbpnxt_mled_km
ダイキン工業やパナソニックなどが出資するベンチャー企業であるpoint 0(ポイントゼロ、東京都千代田区)が、個人ワークに特化したサテライトオフィス事業に参入することが日経クロステックの取材で分かった。複数の出資企業が認めた。近日中に発表する。
point 0は2019年2月に創業。「未来のオフィス空間」の実現を目指すベンチャーだ。ダイキン工業やパナソニック、ライオン、TOTO、オカムラなど9社が出資し、ダイキン工業の石原隆広氏が代表取締役を務める。
同年7月には東京・丸の内に未来のオフィス空間を検証するサテライトオフィス「point 0 marunouchi(ポイントゼロ マルノウチ)」を開設。出資企業に加えて、ソフトバンクや清水建設、鹿島などをプロジェクトメンバーとして迎え、各社の技術や知見を持ち寄った共創空間を作り上げてきた。20年3月に国内のコワーキングオフィスとして初めて、働く人々の健康や快適性を評価する「WELL認証(WELL v2)」の予備認証を取得したことでも注目を集めた。
新型コロナウイルスによってテレワークが浸透し、従来のオフィスに従業員の自宅やサテライトオフィスなどを加えた「オフィスの分散化」がトレンドになりつつある。point 0の参入によって、分散化の一翼を担うサテライトオフィス市場がより活性化しそうだ。
「point 0 marunouchi」の内観。出資する大企業に加えて複数のベンチャー企業などが入居し、IoT(モノのインターネット)によるオープン空間データベースプラットフォームを構築してきた(提供:point 0)
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同社は丸の内で培ったノウハウをもとに、アフターコロナのニューノーマルとして「個人ワークに特化したサテライトオフィス」である「point 0 satellite(ポイントゼロ サテライト)」を新規事業としてスタートする。
コンセプトは「止まらないサテライトオフィス」。緊急事態宣言が再び発令されても安心して使えるよう、感染リスクを極限まで減らしたオフィスを目指す。
特徴は、「全室個室」で個人ワークに特化する点にある。会議室やオープンスペースなどの機能は設けず、オンラインミーティングや個人で集中して作業する業務に最適化した個室空間をしつらえる方針だ。「単純に個室をつくれば集中できるというわけではない。技術や空間のノウハウを生かしてデザインしたい」とある幹部は語る。
テレワークによってオンラインでのビデオミーティングが急増しているものの、ビジネスパーソンの中には自宅に個室がなくミーティングのために出社しているケースも散見される。同社幹部は「特に郊外に住んで都心で働く大企業社員をターゲットにしている」とした