世界のパリピが集まる島でデビューをもくろむ女性を襲った悲劇とは…

 

トシタカマサ

 

 

 

 地中海有数のリゾートとしてだけではなく、多くのクラブが集まることから近年では“パリピの聖地”として世界中から多くの若者が集まるスペインのイビサ島

 

 

 

 

 最近は「パリピ気分を味わいたい!」と島を訪れる若い日本人女子も増えているといいます。

 

経由地のバルセロナ到着直後、いきなりボッタクリタクシーに遭遇! 「以前から一度行ってみたいと思っていたんです。それで昨年の夏休み、ちょうど同じタイミングで休みが取れた大学時代の友達のユカと2人で行ってきました」  そう話すのは、これが大学の卒業旅行以来、2度目の海外旅行だったという中村綾音さん(仮名・25歳/保険会社)。

 

 

 

 

 夏休みを利用した5泊7日の日程で、航空券とホテルはインターネットで手配。飛行機を乗り継いで最初の目的地、スペインのバルセロナに向かいますが、到着早々トラブルに見舞われてしまいます。 「空港から市内中心部にあるホテルまでタクシーを使ったんですけど、メーターの上がり方が早くてなんかヘンだなって。でも、物価の高いヨーロッパだし、そんなもんかなと思って60ユーロ(約7595円)払ったんですが、後で調べたら相場の倍以上もボッタクられていたんです。それが本当にショックで……」

 

 

 

激しい腹痛に襲われ、ホテルの部屋から出られず  しかし、持ち前の切り替えの早さで一晩寝たら立ち直り、バルセロナ観光を満喫。3日目にはいよいよ旅のメインであるイビサ島に向かいますが、この日は朝からお腹の調子が悪かったそうで何度もトイレに駆け込むハメに。 「2日目の夜、シーフードレストランでディナーしたんですけど、そこで食べた何かが当たったんだと思います。旅先で浮かれていたこともあって、いつも以上に飲み食いしちゃったんです」 ビサ島のリゾートホテルに着いたころには、すでにフラフラだった綾音さん。いくら楽しみにしていたとはいえ、さすがにクラブに行けるような状態ではなく、そのままダウン。ホテルから一歩も出ることなく、最後の晩を迎えてしまいます。 「まだ調子は良くなかったですけど、ユカが買ってきてくれた薬を飲んだら腹痛はだいぶ収まってきたので、クラブに行ったんです。ここまで来て寝てただけじゃ悔しいし、ユカにも申し訳なくて」  ちょうど夏場のハイシーズンということもあり、訪れた現地の人気クラブは大勢の人だかり。日本人はおろか、東洋人の姿はほとんどなかったらしく、パリピ男子たちから次々と声を掛けられたとか。 「単に珍しかっただけかもしれませんけどね。それでも海外のイケメンたちから話しかけられて、2日間寝込んでいた苦しさが報われた気がしました(笑)

 

 

 

 

 

イケメンフランス人2人組と意気投合するも再び腹痛が…

 なかでも熱心に口説いてきたバカンス中のフランス人男子2人組がかなりの日本好きで意気投合。一緒に飲むことになり、気がつけば2組の即席カップルが誕生。  このままのアバンチュールな展開に突入すると思いきや、再び腹痛に襲われてしまいます。 「結局、泣く泣く別れを告げてホテルに戻ったのですが、クラブも1軒しか行くことができず、2時間もいなかったと思います。  ユカは私のせいで全然楽しむことができず、彼女は『気にしなくていいよ』と言ってくれたけど泣きながら何度も謝りました」 実は、ユカさんは綾音さんがクラブのトイレに駆け込んでいた間にフランス人男子2人組と連絡先を交換。おかげで綾音さんもいい仲になりかけていた彼と帰国後、SNSやスカイプなどで連絡を取り合うことができたとか。 「やりとりするうちに彼のことが本気で好きになっちゃったみたいです。今年の夏、2人がバカンスで日本に来る予定なので、ユカと一緒に案内してあげるつもりです。そのためにも今度はお腹を壊さないように気をつけなきゃ(笑)」  イビサ島でのパリピデビューは残念な結果に終わりましたが、まさかの1年越しで訪れた延長戦のチャンス。次こそはぜひリベンジを果たしてほしいものです。

 

 

 ―私の◯◯デビュー失敗― 

 

 

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<文/トシタカマサ イラスト/田丸こーじ>