球磨川の決壊箇所は旧川跡、「重要水防箇所」で氾濫多数
谷川 博
日経クロステック/日経コンストラクション
熊本県南部での集中豪雨によって球磨川の国管理区間で決壊や越水などが発生した12カ所は、水害の恐れのある「重要水防箇所」だと分かった。なお、30mにわたって決壊した堤防は旧川跡で、地質のもろさなどから「要注意」と判定されていた。
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/01360/00006/?n_cid=nbpnxt_mled_km
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熊本豪雨の被災状況を空撮で見る
浅野 祐一
日経クロステック/日経コンストラクション
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/01360/00003/?n_cid=nbpnxt_mled_km
気象庁は2020年7月4日午前4時50分、熊本県と鹿児島県に大雨特別警報を発表した。特別警報をもたらした猛烈な雨は、球磨川流域で堤防の決壊による浸水被害や落橋、斜面地での土砂災害などを引き起こした。
アジア航測と朝日航洋は共同で、九州南部にもたらされた大雨による被害状況を、警報が発表された7月4日に空撮。翌5日に写真を公開した。洪水に見舞われた球磨川の様子や落橋が発生した地点の状況、民家を襲った土砂災害などを記録に残している。
以下にアジア航測と朝日航洋が撮影した写真を紹介する。
球磨川に架かる深水橋が落橋した地点(写真:アジア航測・朝日航洋)
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JR肥薩線の坂本駅周辺の様子(写真:アジア航測・朝日航洋)
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JR肥薩線の段駅周辺の様子(写真:アジア航測・朝日航洋)
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熊本豪雨で球磨川破堤に土砂災害多発、県南部で人的被害が集中
真鍋 政彦
日経クロステック/日経コンストラクション
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/01360/00001/?i_cid=nbpnxt_ranking
梅雨前線の影響で2020年7月3日から降り続く雨によって、熊本県を中心に橋の崩落や土砂災害、河川氾濫などの被害が多発した。
気象庁によると、12時間雨量は熊本県湯前町で411.5mm、同球磨村で396.5mm、同人吉市で340.5mmと、いずれも観測史上1位を記録。半日で7月の平均降水量に匹敵する雨が降り、1級河川の球磨川が氾濫した。4日夕方には人吉市の中神町付近で球磨川の堤防が決壊した。
熊本県人吉市中神町(紅取橋)付近の球磨川の平常時(左の画像)と20年7月4日午前6時35分の様子(右の画像)。橋の橋脚がほとんど水に漬かっている。同日の夕方に付近の堤防が決壊した(資料:国土交通省八代河川国道事務所)
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球磨川の空撮写真。流失した深水橋付近。7月4日撮影(写真:国土地理院)
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県災害対策本部の5日午後2時時点の発表によると、県内の死者は18人、心肺停止は16人、行方不明者は14人に及んだ。球磨川の上流から下流まで浸水区域が広範囲にわたり、住宅被害の規模が把握しきれていない。人吉市では10m近い浸水深が確認されている。
球磨川の人吉市周辺における浸水推定図。国土地理院が7月4日午前10時までに収集したSNS画像と標高データを用いて浸水範囲の水深を算出し、濃淡で表現した(資料:国土地理院)
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球磨川下流域に位置する熊本県芦北町、同津奈木町では、土砂災害も目立った。芦北町田川地区では、土砂災害警戒区域(急傾斜地、土石流)で土砂災害が発生。住宅複数棟が巻き込まれた。
土砂災害警戒区域と土砂災害が起こった芦北町田川地区(中央の黒丸内)との位置関係。熊本県の資料に日経クロステックが加筆
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