ブラック・ライヴズ・マター: Black Lives Matter、通称「BLM」)は、

 

アフリカ系アメリカ人のコミュニティに端を発した、黒人に対する暴力や構造的な人種差別の撤廃を訴える、国際的な積極行動主義の運動である。特に白人警官による無抵抗な黒人への暴力や殺害、人種による犯罪者に対する不平等な取り扱いへの不満を訴えている[1][2]アリシア・ガーザ英語版)、パトリッセ・カラーズ英語版)、オーパル・トメティ英語版)によって呼び掛けられ、広められた。

 

 

 

 

 

 

 

2020年5月のミネソタ州ミネアポリスで発生した黒人男性を白人警官が死に至らしめた事件に端を発する世界的に広がった抗議運動についての報道に際し、Yahoo!ニュースハフポストなどアメリカ・メディアの日本語版も含めて先行した「黒人の命も大切だ」との日本語訳に対し、異論・批判が生じた[3]のを受け、「黒人の命を守れ」、「黒人の命も大切だ、軽視するな」、「黒人の命は大切(です / だ)」等の修正・追補が行われ[4][5][6]、この「黒人の命は大切」との日本語訳は、他のメディアでも使用されている[7]

一方、この「黒人の命は大切だ」という日本語訳にも与せず、「あえて『黒人の命を軽んじるな』と否定形を使っ」た日本語訳も出ている[注 1]

その他、「黒人の命にも価値がある[9]、(ジョン・ボイエガが発した「black lives always matter」に対する日本語訳として)「黒人の命はいつだって問題だ[10]・「いつだって黒人の命は大切だ[11]などがある。

それでもなお、「そのまま素直に訳せば、『黒人の命が大切』あるいは『黒人の命は大切』となる。しかし、現在の抗議行動の文脈からすれば、黒人参加者たちは『黒人の命こそ大切』と言っているニュアンスになる」とし、「黒人の命『も』大切」でなく、「が」でも「は」でもなく、「黒人の命『こそ』大切」と訳されるべきだとの主張もある[12]

概要

2013年、各SNS上で#BlackLivesMatterというハッシュタグが拡散された。これは2月にフロリダ州で黒人少年のトレイボン・マーティンが白人警官のジョージ・ジマーマンに射殺された事件に端を発する(トレイボン・マーティン射殺事件)。

翌年の2014年には、7月にニューヨークエリック・ガーナーが白人警察官による過剰な暴力により死亡し、8月にはミズーリ州ファーガソンでマイケル・ブラウンが白人警察官に射殺される。

マイケル・ブラウン射殺事件の翌日にファーガソンで行われたデモ行進と関連した暴動でBLMは世界的に認知されるようになった[13]ファーガソン騒動以降、アフリカ系アメリカ人が犠牲となった警官の過剰な治安維持行為を糾弾するデモが拡大する。2015年に入るとBLMは2016年アメリカ合衆国大統領選挙を巻き込んだ運動に発展する[14]2014年から2016年にかけて、運動家であるアリシア・ガーザパトリッセ・カラーズオーパル・トメティの3名はハッシュタグのさらなる拡散などを求め、さらに全米各地に30箇所以上のネットワークを設立し、全国的なムーブメントに拡大させた[15]

ブラック・ライヴズ・マターは多くの反響を生んでいる。米国におけるBLM運動の参加者は人種によってばらつきが大きいと言われる。BLMへのカウンターとしてオール・ライヴズ・マター(: All Lives Matter)という運動も勃興した。しかし、All Lives MatterはBLM運動を軽視するスローガンとして発生し、アメリカにおける黒人の現状から論点をずらすために使用されるとして批判の声もある。発起人の一人であるアリシア・ガーザ英語版)はAll Lives Matterについて、「私たちはすべての命が大切だと当然認識しています。しかし、私たちはすべての命が大切だとされている世界には住んでいないのです」と語った[16][注 2]。さらに暴徒によってファーガソンの警官2人が襲撃を受け新たな運動に発展し、こちらも警官の人権を主張するブルー・ライヴズ・マター(: Blue Lives Matter)として一定の広がりを見せている。同運動に否定的な黒人の公民権運動家もいる。

反警察的な存在となったBLMに対して批判や疑念の声もある。保守派で白人である、前ニューヨーク市長のルドルフ・ジュリアーニ氏はBLMを根本的に人種差別だとし、反アメリカ的だと述べた。それに対してワシントンポストは、人種差別的でないとした上で、前市長が人種問題について自身の想像の中の世界にいると批判した[18]

 

 

 

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%BB%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%B4%E3%82%BA%E3%83%BB%E3%83%9E%E3%82%BF%E3%83%BC

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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設立 2013年7月13日(6年前)
設立者
種類 社会運動
所在地
重要人物 ショーン・キング
ドゥレイ・マッケソン
ジョネッタ・エルジー
ウェブサイト BlackLivesMatter.com