ドイツ経済が活気があったのとは裏腹に、

 

ウイルス同様に中国に侵され、

 

首根っこをチョーキングされている、

 

能天気で、闇のドイツ経済界の甘さ

 

 

抜け出せるのか?

 

もう遅いか?

 

 

そのぐらいドイツは、首根っこをつかまれています!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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中国がドイツに「報復」、経済的攻防がコロナで激化

5/16(土) 8:00配信

JBpress

 

 

 (譚 璐美:作家)

 4月15日、欧州でコロナ禍が吹き荒れる中、ドイツ最大のタブロイド紙「ビルト」が社説「私たちへの中国の負債」を掲載して激しく中国を批判した。コロナウイルスが世界中に拡大したのは「中国が全世界を欺いた」からであり、ドイツが受けた経済的損失の約1650億ドル(約18兆1500億円)を、中国は支払うべきだとも要求した。


 翌日、中国は「劣悪な要求だ」と反論したが、同紙は一歩も引かず、習近平主席を名指しして、

 

 

「あなたの友好とは・・・微笑で偽装した帝国主義であり、トロイの木馬なのだ」

 

 

と、激烈な批判を展開し、激しい舌戦はなおも続いている。

■ “経済的パートナー”ドイツからの厳しい言葉

 メルケル首相も4月20日、「中国がウイルスの発生源について、より透明性を持てば、各国がよりくわしく学ぶことができる」と、控えめながら中国政府に「透明性」を求めた。

 習近平主席にとって、メルケル首相の言葉は予想外のものだったろう。

 

というのも、ほんのひと月前の3月22日、習近平主席はドイツに電報を送り、コロナウイルスの感染が拡大中のドイツに慰問の意を表し、「ドイツと共に努力することで両国の全方位的なパートナー関係を深め、中国とヨーロッパの関係発展を促進していきたい」と強調したばかりだったからだ。

 

 

 

 新型コロナウイルスの発生源などをめぐり、各国首脳から中国の対応に疑念の声が相次ぐ中で、

 

唯一、経済的に重要なパートナーだと思いこんでいたドイツの冷めたい反応は、

 

大きな衝撃だったにちがいない。

 コロナ禍をきっかけにして、今、ドイツと中国の間で再び経済的攻防が火花を散らしている。

■ 蜜月関係にあるドイツの優良企業が中国企業のM&Aの標的に

 振り返れば、ドイツと中国の間には歴史的な禍根が少ない。20世紀初頭にドイツ帝国が清国の山東省膠州湾を租借したものの、第一次世界大戦の時期に、中国侵略を企てた日本がドイツの権益を奪って以降、ドイツはヨーロッパ戦線に忙殺されて、どちらかといえば中国と疎遠な関係にあった。そのためドイツ人も中国に対して固定観念を持たず、悪感情を抱いていなかったのである。それが21世紀に入り、中国が経済成長すると、両国は急接近した。

 2005年、メルケル首相は首相就任後、

景気低迷にあえぐドイツ経済を再興しようと、

対中貿易の促進に踏み切り、

 

現在まで合計12回の訪中をしている。

 

日本には、2回のサミットを含めて5回しか訪問していないのとは大違いだ。

 中国にとっても「渡りに船」だった。

 中国は建国100年目の2049年に世界制覇を目指して、国家的大構想「一帯一路」プロジェクトを立ち上げ、欧州と中国を陸と海で結んで貿易取引を発展させようと考えた。長距離鉄道を敷設して「陸のルート」を開設する一方、「海のルート」を確立するため、航路沿線にあるアジア、中東各国の港湾を強引な手段で次々と獲得していった。

 2015年には具体的な戦略「中国製造2025」も打ち出した。

 

2025年までに欧米先進国と日本に追いつき、追い越すために、10の重点分野を発展させる計画だ。

 

重点分野は、

 

省エネルギー産業、

 

新エネルギー自動車、

 

電力設備、

 

バイオ医療、

 

ロボット分野

 

などの最先端技術ばかりだ。

 

だが、

 

中国はこれらを自ら研究開発するのではなく、

 

外国企業を買収して手っ取り早く最先端技術を奪おうと目論んだ。

 

その主要なターゲットとなったのが、「蜜月関係」にあるドイツの先端企業だった

 

 

JETROのレポート『中国からの直接投資とドイツのジレンマ』(2020年1月9日付)が紹介したドイツ連邦銀行の経済統計によれば、

 

中国からドイツへの直接投資が急増したのは2016年。

 

手法は主としてM&Aだった。

 2016年6月、中国の大手家電メーカーの美的集団がドイツの産業用ロボットメーカーのクーカを買収したのを皮切りに、中国企業は次々にドイツ企業にM&Aをしかけた。

 2016年の中国のドイツへの投資総額は、

 

前年比24倍の125億6000万ドルに達し、

 

2017年には過去最高額の136億8400万ドル

を記録した。

 



■ ドイツで急速に高まった対中警戒感

 そこまで事態が進むと、さすがにドイツ人は貴重な先端技術が流出するのではないかと不安になり、ドイツ政府は2017年7月、対外経済法施行令を改正して、軍事産業や安全保障、ハイテク、インフラ、エネルギー分野で、EUおよび欧州自由貿易連合(EFTA)加盟国以外の外国企業がドイツ企業を買収する場合、買収通知の提出と資本参加の審査を義務化するなど、規制を強化した。

 だが、中国の勢いは止まらず、2018年2月、

 

吉利汽車がダイムラーへ資本参加して筆頭株主になり、

 

寧波の自動車部品メーカー、継峰汽車零部件もドイツの自動車内装部品メーカー大手のグラマーの株式を取得して、議決権を84%取得した。

 危機感を覚えたドイツ政府はついに「拒否権」を発動した。

 2018年7月、国家電網(SGCC)による送電大手の50ヘルツ(50Hertz)の株式取得を阻止するため、ドイツ復興金融公庫(KFW)が株式20%を買い取った。同年8月、煙台市台海集団による精密機械メーカーのライフェルト・メタル・スピニングの買収も拒否した。同社は従業員200人の小規模ながら、宇宙船や航空機の部品製造の技術は世界的に評価が高く、原子力発電や核関連分野にも利用されている優良企業だ。

 5カ月後の12月、ドイツは万全を期すため、EUおよびEFTA加盟国以外の外国企業が、安全保障上重要なインフラ企業の株式を取得する際の審査基準を、従来の決議権25%以上から10%以上に引き下げ、中国企業による買収に歯止めをかけた。

 その結果、2018年のドイツ企業に対する中国企業の直接投資は2割減の106億8100万ドルとなり、2019年上半期には5億500万ドルと激減した。

 

 

 

 

 

だが、二度にわたる規制強化にも関わらず

 

2019年1月、中国のアリババ集団はドイツのデータ分析のスタートアップ企業であるデータ・アルチザンスを9000万ユーロで買収し、なおもM&A攻勢の手を緩めてはいない。

 



■ 一帯一路“要所”となる地域で集中的にM&A

 ところで、中国企業によるM&Aの約60%は、ドイツの特定地域に集中している。

 

バーデン・ヴュルテンベルク州、

 

ノルトライン・ヴェストファーレン州、

 

バイエルン州の3州で、

 

最先端技術をもつ企業がひしめく地域だ。

 3州のひとつ、ノルトライン・ヴェストファーレン州はドイツ経済の中心地で、

 

現在、華為技術(ファーウェイ)、中興通訊(ZTE)、徐工集団(XCMG)、三一重工(Sany Heavy Industry)など、中国の有名企業の欧州本部が置かれているほか、

 

1100社の中国企業があり、約1万人の従業員がいる。

 

 

また、同州のドイツ企業2700社以上が中国に駐在員事務所をもち、

 

ドイツの対中投資額の4分の1を占めている。メルケル首相がかつて推進した経済交流の蜜月時代の所産でもある。



 実は、同州はドイツで最初に中国の「一帯一路」プロジェクトに署名した州で、州政府の官員の中には共産主義者も少なくないと指摘されている。

 中国が同州に目を付けた最大の利点は、

 

同州にあるデュイスブルク港だ。

 

欧州最大の内陸港として知られ、720キロメートルの内陸航路に120の港湾があり、北海、バルト海、大西洋、地中海、黒海に通じ、欧州の重要なハブになっている。

 

 

2018年の中国政府の公式ウェブサイトによれば、デュイスブルク港には、中国の重慶を起点として、週に35~40本の長距離鉄道が運行されている。

 同州の州都デュッセルドルフ市は、2015年に中国総領事館が設置された後、武漢市と姉妹都市を締結して、毎年「中国祭」を開催するなど密接な関係を保っている。2019年9月には、米国が強く警告する中で、ファーウェイと「スマートシティ」プロジェクトの開発契約を結んだ。

 一言でいえば、ノルトライン・ヴェストファーレン州など

 

ドイツ3州は、

 

ここ5年間で中国と深く結びつき、

 

ドイツ経済の根幹を中国に握られるほど密着してしまったのである。

 

そして、この経済的な密着こそ、今回のコロナウイルスが感染拡大した最大の要因となったのである。

 ドイツでは、コロナウイルスの感染者は17.2万人で、死者は7551人(5月8日現在)にのぼる。その中で被害が最も多いのが、バイエルン州(感染者4万4265人、死者2153人)、ノルトライン・ヴェストファーレン州(同3万4964人、1425人)、バーデン・ヴュルテンベルク州(同3万3287人、1542人)の3州である。

 武漢で発生した新型コロナウイルスは、文字通り「一帯一路」プロジェクトの「陸のルート」を通って、武漢から長距離鉄道でドイツに伝わり、「海のルート」の欧州の入り口であるイタリア同様、欧州各国へと感染が拡大していったのである。事ここに至って、冒頭で触れた「ビルト」紙のような、公然とした中国批判が噴出するようになった。

 

 

 

 

 

 

 

だが、コロナ禍を巡ってドイツ政府やメディアが中国を非難する中で、

 

中国は「報復外交」ともいえる対抗手段で、すでに布石を打っていた。

 ドイツの「ドイチェベレ中国語電子版」(2020年1月16日付)は、ドイツ公共放送連盟の経済番組「プラスマイナス」を引用する形で、中国が2020年に導入予定の「企業版社会信用システム」に、数社のドイツ企業を「ブラックリスト」に載せたことが判明したと報じた。

 同報道によれば、ドイツのフォルクスワーゲン・フィナンシャル・リーシング社(天津大衆汽車公司)、ドイツ大手建設会社ツプリン社の中国子会社など数社が「ブラックリスト」に掲載されているという。理由はいずれも商取引上の行き違いや、10年も前の税金申告漏れなど、些細な内容ばかりのようだが、はっきりとはわからない。

 ボッシュ、BMW、ZFフリードリヒハーフェン社の上海子会社なども、企業データ、金融データ、社会的交流、ネット言論の内容に至るまで、逐一中国政府のデータ庫に保存されているとされる。

■ 中国の意に沿わない外国企業を窮地に追いやることもできる

 中国ですでに導入されている個人対象の「社会信用システム」は、AIを使った厳しい監視体制が国民のプライバシーを過度に侵害するものとして外国でも知られているが、「企業版社会信用システム」が本格的に導入されれば、ドイツ企業ばかりか、中国でビジネスを展開する外国企業にとって、まことに深刻な事態である。すべての外国企業や合弁企業は中国政府に企業データを提供する義務が生じ、中国政府は外国企業の先端技術をたやすく獲得して、政治的に活用することが可能になる。

 中国政府の意に沿わない外国企業は信用度が低くなり、融資や商取引の面で数々の不利が生じる。高級管理職の外国人の言動も制限され、企業イメージにも大きな影響を及ぼす。取引相手の信用度とも関連するため、企業同士で互いに疑心暗鬼に陥ることも考えられる。「ブラックリスト」に載せられたら、取り消されるまで数年もかかり、ビジネス展開のうえで致命的なダメージを被る。そしてなにより「企業版社会信用システム」の評価基準があいまいで、中国政府の腹ひとつで信用度が大きく左右されることが、最大の懸念になっている。

 ドイツへの直接投資を阻止された中国は、なりふり構わず「報復外交」を展開し、留まるところを知らない。両国の経済的攻防はこれからも続いていくのは必定だろう。

 コロナ禍を契機に、今、ドイツを含めたEU諸国が一致協力して、中国の脅威に対抗しようと動き出したことこそ、未来への明るい希望である。

 

 

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200516-00060553-jbpressz-int&p=4

 

 

 

 

譚 璐美