コロナの逆境にめげない米AV業界、感染症対策で独自のノウハウ
5/15(金) 15:35配信
新型コロナの感染が拡大し、エンタメ業界は軒並み制作の中断を余儀なくされた。テレビ局も映画会社も、撮影現場の感染防止策に頭を悩ませている。
だが感染症対策の経験が豊富で、他よりもうまく立ち回っている分野がある―それはAV業界だ。エイズの感染拡大以降、AV業界は出演者向けの検査手順を整備してきた。
「われわれの準備は万端だ。検査とか、濃厚接触者の追跡とか、制作の中断はつきものだからね」
そう話すのはAV業界団体のマイク・スタビールさん。
「2月下旬頃から米国内で感染が広がっていったので、私たちは話し合いを始め、大まかな概要を理解している人がいることを確認した。
新型コロナは明らかにこれまでと異なるウイルスで新たな脅威だが、概ねどのような特徴を持ち、われわれの身を守るためにどうすればいいのかはわかった」
業界では、独自の出演者管理システムを構築している。これは過去14日以内に性感染症(STI)の検査を受けて、撮影可能な出演者を制作者側に通知するというものだ。
「データベースで出演者名を検索すると、緑色のチェックマークが表示される。これは過去14日以内に検査を受けていて、STIに感染していないことを示す。つまり検査をパスして、仕事ができる状態か否かを表している」
スタビールさんは、新型コロナに対応する新たなシステム構築を目指している。だが、これはたやすいことではない。
「新型コロナは、受ける検査によって偽陽性や偽陰性が出る割合が異なる。そのためどの検査がどれくらい正確なのか見極めようとしている。どの検査を利用すべきなのか、出演者はどのくらいの頻度で検査を受けるべきなのか、いつ検査すべきなのか」
検査が必要なのは出演者だけではない。カメラマンから清掃係に至るまで、感染源となりえるし、感染リスクも負っている。
AV業界のもう1つの対策、それは意外かもしれないが「社会的距離」を取ることだ。
AV監督のブリー・ミルズさん
「私たちのチームは、関係者が集まることなく作品を制作している。社会的距離を維持しながら、テクノロジーを駆使してAV制作を可能にしている」
ブリー・ミルズさんは「アダルトタイム」のチーフ・クリエイティブ・オフィサーを務めている。知らないふりをしている方のために言うと、エロ界のネットフリックスだ。
「5月からアダルトタイムで新しいチャンネルが始まる。世界中のコンテンツ制作者が、安全に制作した作品だけを集めたチャンネルだ」
またスタジオでの撮影に参加できない出演者は、自宅での撮影に挑んでいる。ちょっとした照明とiPhoneがあれば、AV監督は離れた場所で新作を作ることができるという。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200515-00010007-reutv-ent