「吉村洋文」府知事の通信簿 「橋下徹」「安倍首相」になくて彼にあるもの

5/15(金) 11:00配信

デイリー新潮

 

 

 時の人となって、連日連夜に亘ってメディアが追いかける吉村洋文大阪府知事(44)。彼が政界に出るきっかけを作った橋下徹元大阪府知事、期待外れの烙印を押され続ける安倍晋三首相にはなくて、吉村府知事にあるものとは……。

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「国」という言葉を使う不気味さ

 ある民放キー局の幹部によると、

「ウチだけじゃなくて調査という意味では大阪地検特捜部とかも普通にやっていると思いますけれど、吉村さんに何かスキャンダルはないかって大阪方面に聞いたんですが、まったく聞こえてこないと。もう少し調べてみますが、酒はほぼ飲まないし、オンナ問題もCAの奥さんがちゃんとしてるからなさそうだし、利権に目がくらむようなタイプでもないしということで、吉村さんをホメる方へどこも向かっているんじゃないですかね」

 吉村府知事は5月12日、1人あたり10~20万円相当のクオカードを医療従事者に送ると表明。新型コロナウイルス助け合い基金を通じて、そこには府知事直筆メッセージ付きだという。

「“なんで使えないクオカードなの? あんたらの給料もクオカードにしたらいいのでは?”などといった意見がSNSでは出ていますが、テレビは持ち上げまくりでしたね。例えば14日の『バイキング』(フジテレビ系)では、医療従事者への差別を取り上げた後に、この件を紹介して、礼賛状態(笑)。MCの坂上忍が、“スピード感あるよねぇ”と言っちゃってますから、異論を差しはさみにくい感じもありました」

「安倍さんが仮にクオカードみたいな政策をぶち上げたら、それこそ、“メッセージは不要不急”とか根拠なしに“モリカケ利権の再来”とか散々だったでしょうね。そもそも安倍さんは一律10万円給付に急旋回したこと、星野源とのコラボ動画、そしていまだ届かない人が圧倒的なアベノマスクで国民の信頼を裏切り続けているので、しばらくは何をやってもうまくいかない。もっとも、野党がここでやる気を見せても良い政策は政府にパクられるだけだし、福山哲郎参院議員のように、とあらぬ方向へスベって政権与党を利するだけになってしまう」

 吉村知事がその株を大きくあげたのは、新型コロナウイルス対策を担当する西村康稔大臣とのバトルがきっかけだった。吉村知事が「新コロ特措法に基づく緊急事態措置の解除基準を国が示さないといけない、ここは大阪モデルを提案したい」などとぶち上げたことに、西村大臣が「仕組みを勘違いしている。解除は知事の権限」と不快感を表明。すると、「休業要請の解除基準を国に示してほしいという思いも意図もありません。延長するなら出口戦略も示して頂きたかったという思いです。今後は発信に気をつけます。ご迷惑をおかけしました」と引き取った。

 永田町関係者はこう分析する。

「計算なのか天然なのかわかりませんが、吉村さんは『国』という言葉を使っているんですね。安倍さんとも西村さんとも言っていないし、政府とも官邸とも言わない。ある意味で官邸を立てていて、不気味だっていう人もいますね。例えば公明党を批判する際にも創価学会がどうのこうの! とは言わないわけです。生々しいので。どうしても学会の名前を出さなければいけない時でも、池田大作先生が! とは言わない。そこまで言われたら全力で対抗せざるを得ないですからね」

 

 

 

 

 

メディア出演は公務か? 

「そして、国という権力に対して弱々しくてカネのない一地方という図式をうまく作り出せています。実際、東京都以外は国からの助成金ナシにはやっていけません。しかも陳謝する形で矛を収めた。これが橋下さんだったらムキになって、安倍さんガーとか総務省ガーとか言っていたかもしれません。コロナ禍で人気コメンテーターになった今でも、特措法を“クソ法律”と斬り捨てたりしていますよね。その後に、“昼の番組だから『お』をつけて、おクソ法律と言います”と続けたのはなかなかでしたが……」

 そんな橋下氏には苦い経験がある。大阪市長時代、在沖縄米軍兵士への風俗活用をめぐる発言がそのひとつだろう。当時、普天間飛行場の司令官と面会した際に、「もっと日本の風俗業を活用してほしい」「風俗業を活用してもらわないと、海兵隊の猛者の性的なエネルギーをコントロールできない」と伝えたところ、司令官は「米軍では禁止の通達を出している」と会話を打ち切ったのだった。

 橋下氏はその後、「国際感覚が足りなかった」と釈明したが、地元紙からは、《彼に何より足りなかったのは人権感覚だ。人間認識の根本的な誤りに気付いていないのが問題なのだ》と批判を受けている。

 ともあれ、吉村知事の活躍が功を奏したのか、共同通信による直近の政党支持率では、日本維新の会が8・7%となり、立憲民主党の6・9%を抜いて野党トップに躍り出た。

「もともと維新は『自民の別動隊』と言われてきました。憲法改正に反対していませんからね。そもそも、自民党が下野した後、安倍さんが再び総裁選に出るか出ないかが話題になっていた2012年、橋下さんと松井さん(一郎・現大阪市長)は、自民党を割って維新のトップにならないかと打診しているほど。関係はその後も良好で、これだけ支持率をあげてきたので、『自公』という現在の枠組みに加えて『自公維』というものも持ち上がってきていますね。吉村さんの“活躍”で『別動隊』の注目度があがる分には、安倍さんとしては悪い話ではないでしょう」

 もっとも、好事魔多し。政治は一寸先は闇とも言う。連日のメディア出演について問われた吉村知事は、「公務」と説明した。その礼賛具合から、テレビ局のことを市役所の一部だと見ることは可能だが……。

週刊新潮WEB取材班

2020年5月15日 掲載

新潮社

 

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200515-00628647-shincho-pol&p=2

 

 

 

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Wiki

 

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%90%89%E6%9D%91%E6%B4%8B%E6%96%87

 

 

 

政策、主張[編集]

大阪市長として[編集]

教育[編集]

  • 「子どもの貧困対策や待機児童対策など、子どもへの投資にさらに力を入れていきたい」と述べ、子どもの成長を社会全体で支えるため、NPOや市民団体などと連携して、子どもの貧困対策を本格的に実施する事を明らかにした[27]
  • 「親の経済格差が子どもの教育格差につながることがあってはならない」と主張し、2016年度から5歳児の幼稚園・保育所の保育料を無償化する方針を示した[28]
  • 教員の新たな人事給与制度の導入を決定。吉村は「頑張っている先生がきちんと評価され、昇給する制度が必要だ」と述べた[29]。2018年8月には大阪市の全国学力テストの正答率が政令市で2年連続最下位だったことを受け、全国学力テストの結果を教員の手当や人事評価に反映させる考えを示した。これに対して林芳正文部科学大臣は「テストの趣旨や目的を踏まえてほしい」と慎重な判断を求めたほか、「夜回り先生」として知られる教育者の水谷修は「大阪の子の学力の背景に家庭や貧困の問題があるのは明白だ。十分な対策を講じてきたと言うなら、その成果が上がっていないということだ」と不快感を表明するなど波紋が広がり、維新市議団の会議でも市長方針への賛否が分かれた[30][31]。また、地方公務員法では職員一人一人の能力や業績に応じた評価を行うと規定しており、学校ごとの一律の評価は法律に抵触する恐れも指摘されたため、最終的に全国学力テストの活用は見送り、大阪府市が独自に行うテストの結果を校長の評価にのみ反映させる方針となった[32]

健康対策[編集]

  • 市民の健康寿命を延ばす協定を大阪市立大学と締結。「効率的な住民サービスのためには科学的な根拠や知見を踏まえた政策決定が重要だ」と述べた[33]

高齢者福祉[編集]

  • 「真に支援を必要とする人々」への支援策の一つとして、特別養護老人ホームの建設費の助成に37億6500万円を計上した[34]
  • 橋下市長時代に導入された敬老優待乗車証(敬老パス)への年間3000円の自己負担金について、利用者が減少している要因だとして廃止する考えを示した[35]

受動喫煙対策[編集]

  • 国が発表した健康増進法改正案よりも規制の厳しい受動喫煙防止条例を検討。「海外に比べて規制が緩い。国際都市を目指すと言いながら、受動喫煙対策がおろそかだったら、それは違う」と述べた[36]
  • 受動喫煙規制に消極的だった松井一郎大阪府知事に対し、「健康をテーマに万博を誘致しているのに、知事が国の基準で十分と言うのは違う」と非難したことにより、大阪市大阪府条例を一本化し、厳格化する意向を取り付けた[37]

旧陸軍墓地[編集]

  • 大日本帝国陸軍の戦死者らを慰霊し、日本で最初[38]かつ最大の陸軍墓地真田山陸軍墓地」の荒廃が深刻化している問題について、2018年8月29日、「国が改修も含めてしっかりと管理すべき」と述べ[39]、11月に安倍晋三首相宛てに「旧真田山陸軍墓地の管理・維持保全に関する要望について」と題して、「建築基準法上の耐震基準を満たさないものがあり、財産所有者である国による抜本的な対策が必要」であり、特に、南海トラフ地震などの巨大地震に備えて「納骨堂の耐震対策をはじめ、墓石の破損・風化対策が喫緊の課題」と要望書を提出した[40][41]。「(墓地)参道の舗装や電灯の整備」などに必要な予算を計上することを表明した[42]

2025年日本国際博覧会[編集]

  • 2025年日本国際博覧会を大阪・関西に誘致すべく奔走。各国の代表らが参加する万博誘致フォーラムに出席。パリ駐在の各国BIE政府代表らと個別会談もし、支持を訴えて回った。吉村は「一国でも多く、支援要請をしていきたい」と述べた[43]
  • 2025年日本国際博覧会の開催地を決定する総会において、「日本の技術力や国際貢献、大阪の先進的な都市機能に加えて、日本人の誠実さや運営能力が高く評価され、他の競合国に対する強みになっている」と語った[44]
  • 万博の大阪開催決定後、大阪府および大阪市では会場予定地の大阪市此花区と同北区の2拠点を連携させ、来場者が回遊できるような仕組みを構想。北区では、最先端医療や産業創出をテーマに整備するとしている。吉村は「万博と理念が共通する部分があり、関連エリアとして世界中から人を呼び込みたい」と述べた[45]

御堂筋歩道化構想[編集]

  • 2018年3月、大阪市や経済団体でつくる御堂筋の将来構想を話し合う有識者委員会は、御堂筋完成100年となる2037年をめどに車道を閉鎖して御堂筋を完全歩道化する提言案をまとめ、公表した。この中で吉村は「完成100周年を迎える時期には、完全な人中心の空間の実現を目指したい」と述べた[46]

大阪府知事として[編集]

新型コロナウイルス対策[編集]

2020年令和2年)に流行した新型コロナウイルスを巡っては、1月31日に感染防止のため、関西国際空港に入国した中国からの乗客に災害備蓄用のマスク10万枚を無償配布することを決めた[47]。3月13日には、「新型コロナの特徴や弱点が見えてきた。(感染が)急拡大する環境を作らず、社会活動を再開させることも重要。経済活動を戻すべき時期と判断した」と述べ、府主催のイベントや休館中の府の屋内施設を21日以降順次再開する方針を決めた[48]。しかし、3月19日に厚労省の職員の提案を受けたとして、20~22日の3連休について「兵庫で爆発的な感染がいつ起きてもおかしくない。大阪も増えており警戒しなければいけない」として「大阪と兵庫間の不要不急の往来は控えてほしい」との呼びかけを兵庫県との事前調整なしで行い、井戸敏三兵庫県知事も同日、吉村の対応に不快感をにじませながら「不要不急」の大阪などとの往来や外出・会合の自粛を要請した[49]。また、大阪府は翌20日に「具体的に大阪が挙げられており、専門家の提案や試算は重く受け止める必要がある」として府主催のイベントの自粛を4月3日まで延長する方針を決めた[50]

吉村は同日、厚生労働省の専門家の試算が盛り込まれた非公開前提の文書を公開したが、文書には「大阪府・兵庫県内外の不要不急な往来の自粛を呼びかける」と太字で記載されており、「両府県内外の往来」がなぜ「府県間の往来」に変わったのかについて吉村は「(厚労省提案の)文字面を読めばそうなる」「普通の日本人が読めば大阪、兵庫間の往来と読める」と述べ理由を明らかにしなかった。しかし、厚労省は「趣旨は2府県間の往来ではなく一般的な外出の自粛呼びかけだった」と説明し、府庁内やSNS上でも「単に文言を読み間違えたのではないか」との指摘が相次いだ。その後、吉村は「政治判断で大阪と兵庫に絞り込みをかけた」と主張した[51][52]

兵庫県は24日に自粛期間を31日まで延長することを決めた[53]が、吉村は26日、「大阪府内での今の感染者数の推移では、今週末に外出の自粛をお願いすることはない」と述べ、府内では現時点で、外出の自粛などを求める状況にはないという認識を示した[54]。しかし、27日に一日としては最も多い20人が新型コロナウイルスに感染していることが確認されたことを受け、同日午後8時半に翌28日、29日の週末の2日間の不要不急の外出自粛を呼びかけた[55]

4月7日には、大阪府を含む7都府県について国が緊急事態宣言を発令したことを受け、同日以降、改めて府民に対して外出自粛を強く求めた[56][57]。娯楽施設の休業要請については、「2週間から3週間の間に効果が見えてくる。それを踏まえて、使用制限を判断する」と述べ[58]、経済への悪影響を懸念して対象を絞りたい政府に配慮する形ですぐさまに実施することを見送っていたが、10日に東京都が政府を押し切る形で幅広く休業を求める方針を決定したため、同日、前倒しして13日に実施するかどうかを判断する方針を明らかにした[59]。また、府知事として陣頭指揮を取りながら記者会見やテレビ番組等で情報発信を続け[註釈 1][56][57]、国に対して家賃モラトリアムなど、必要となる政策を講じるよう共同提言することを7都府県知事の緊急会議で提案するなどした[63]。また、緊急事態宣言における自粛緩和に関して、5月5日に大阪府独自に「大阪モデル」という数値的な指標を掲示し、主な自粛緩和の基準として「新規感染者のうち感染経路不明者が10人未満」「PCR検査においてコロナ陽性率が7%未満」「重症患者用の病床使用率が60%未満」という3つの条件を7日連続で達成した場合、大阪府内の自粛要請を慎重に経過観察しつつ段階的に解除すると発表した[64]

また、記者会見の他にも在阪局を中心にテレビ番組に積極的にリモート出演し、自身の考えや方針を視聴者に伝えている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

吉村 洋文(よしむら ひろふみ、1975年昭和50年〉6月17日 - )は、日本政治家弁護士(登録番号28290、大阪弁護士会所属)、税理士大阪府知事(公選第20代)、日本維新の会代表大阪維新の会代表代行。大阪市長(1期)、衆議院議員(1期)、大阪市会議員(1期)、おおさか維新の会政務調査会長(初代)、大阪維新の会政務調査会長(第2代)[1]などを歴任した