米国では早くも1200ドルが振り込まれた! 「スピード現金給付」ができた理由
4/15(水) 18:00配信
日本の安倍政権は新型コロナ経済対策として現金給付30万円を打ち出したが、「条件が厳しすぎる」との批判の声も上がった。すると自民党の二階幹事長が「国民1人あたり一律10万円」を政府に要請するという。
一方、アメリカでは早くも先週末から「国民1人あたり1200ドル」の現金給付が始まった。政府が採用した給付の手段や、現金を受け取った人々の使い道について、米紙「ワシントン・ポスト」が伝えている。
食料品の購入や家賃の支払いに
米政府は新型コロナウイルスの経済対策として、国民1人あたり1200ドル(約13万円)の現金給付を開始した。ムニューシン財務長官によれば、4月15日までに8000万人の銀行口座に直接振り込まれるという。
この現金給付は、米政府が打ち出した2兆ドル規模の景気刺激策の目玉となるもの。すでに振り込みを確認した人々は、ソーシャルメディアで喜びの声を共有している。
1200ドルは世帯ごとではなく、
年収7万5000ドル未満の人全員に給付される。
さらに17歳未満の子供1人につき500ドルも親の口座に振り込まれる。
給付手段は、
銀行口座への振り込みのほか、
小切手またはプリペイド式デビットカードを送付する。
給付金は12日から届き始めており、多くのアメリカ人が主に食料品やガソリンなどの生活必需品に使っていることがわかっている。
12日までに給付金の10億ドル近くを処理したデビットカード会社「Netspend」によれば、「スーパーマーケットやファストフード店、薬局、ガソリンスタンドでの利用のほか、ATMで現金を引き出している人もいる」。
10日にプリペイド式デビットカードを通じて給付金を受け取ったダニエル・ラフナーは、1200ドルの一部で食品を購入したり、光熱費やインターネット料金を支払ったりした。残りは家賃に回すという。
ニューヨークの小さなレストランでシェフとして働いていたラフナーだが、コロナの影響で職を失った。給付金は大きな助けになったと語る。
「たまっていた請求書の支払いを全部終えることができて安心しました」
煩雑な手続きなしで口座に直接振り込み
アナリストらによれば、今回の給付金は最終的に1億2500万~1億5000万人に届けられるという。
10日から始まった給付「第一波」の対象者は主に、
2018年または2019年に確定申告を行い、米内国歳入庁(IRS)に口座情報を提出している納税者だ。
口座情報を提出していない人は
小切手が送付されるまでに時間を要することになるが、今からでもIRSのウェブサイトで手続きをすれば直接振り込んでもらえる。
確定申告をしていない低所得者層も、IRSのサイトで基本的な情報を入力すれば、給付される仕組みになっている。
また、社会保障年金を受け取っている高齢者や障がい者は、特別な手続きをしなくても数週間内に自動的に給付される。
米政府は2008年の金融危機の際にも現金給付を行った。その給付金の50~90%が3ヵ月間で使われ、景気刺激に一役買ったとの調査研究もある。
2008年時は給付開始までに数ヵ月を要したが、今回は景気刺激策法案が成立してからわずか2週間半で振り込まれた。
本紙「ワシントン・ポスト」が、すでに給付金を受け取った人たちに話を聞いたところ、食料品の購入や家賃の支払いのほか、学費ローンの返済に回した人や、寄付する計画だという人もいた。
世論調査会社「ギャラップ」が先週行った調査では、請求書の支払いに使うと答えた人が35%、貯蓄・投資に回すが29%、食品やガソリンなど生活必需品の購入にあてるが16%だった。
Heather Long
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200415-00000007-courrier-int&p=2