イタリア、集計されないコロナ「在宅死」 犠牲の全体像みえず
4/7(火) 13:23配信
イタリアでは新型コロナの死者数がピークに達したとの見方が出ている。一方で、在宅で死亡した患者は公式統計に反映されておらず、実際の犠牲者ははるかに多い、との調査が明らかになった。
多くの棺が置かれている光景は、悲惨としか言いようがない。イタリアではこれまで1万5000を超える棺が必要となった。新型コロナは、人間の生活を破壊した。
一方で、犠牲者ははるかに多い、との警告も出ている。
公式統計は病院での死者のみを集計。自宅で亡くなる人も大勢いる。時には、ひとりでだ。
北部のベルガモ県では、公式統計では死者は2060人だが、実際には、その倍以上の可能性がある、との調査がある。
ベルガモの地元紙や調査会社が自治体のデータから試算したところ、同県で3月に亡くなったのは5400人で、1年前の6倍だった。最大4500人は新型コロナによるものだったとみられる。
セルビーノ地区のリカルド・ムンダ医師は「状態のよくない患者は、自宅で診察する必要がある。認知症を患っていると、自分の症状を正確に伝えることができない」と話す。
人命救助のため、世界的には病院への人工呼吸器の供給が急がれている。しかし、一部の医師によると、かかりつけ医による総合診療が十分になされないことが同じぐらい問題だ。
「遠隔診療」への切り替えは世界的な流れでもあるが、そのために医師が往診できない、あるいはしようとしない、という。
また、勤務医は優先的に防護品を供給されている一方、一部の家庭医は後回しにされ、自分たちの安全が確保されていないと感じる。
ムンダ医師は「我々は、人々が集中治療を必要とするまで待つべきではない。総合診療医、家庭医、救急医が患者のいる家庭を訪問する必要がある。このような専門医がもっと必要だ。そして、安全が確保されている必要がある」という。
セリアテ地区では、死者の急増で軍用トラックを使って棺を運んだ。
イタリアの死者数はピークに達したようで、現在は減少している。ただ、実際の悲劇の全体像は、在宅で苦しみながら死亡した人の数が判明するまでわからない
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