新型コロナウイルスのIgG抗体の検出に成功 診断法確立へ…横浜市大

 

読売新聞(ヨミドクター)

 

 

 

 

 新型コロナウイルスについて、横浜市立大医学部の梁(りょう)明秀教授(微生物学)の研究グループは3月9日、患者の血液中に含まれる抗ウイルス抗体(IgG)の検出に成功したと発表した。特別な装置を必要とせず簡単な操作で、短時間に感染を調べることができることから、従来用いられているPCR法と併用することで、より的確な診断が可能になるとしている。

 発表によると、研究グループは、コロナウイルスのたんぱく質を梁教授の保有技術である「コムギ無細胞タンパク質合成法」で調製するなど研究を進め、イライザ法(ELISA法)とイムノクロマト法を用いた血液診断法につながる新型コロナウイルスのIgG抗体の検出に成功した。

 一般的にウイルス感染後につくられるIgG抗体は、発症後1週間ほどした後に上昇する。今回の新型コロナウイルスは、潜伏期間が数日から2週間程度と長いうえ、症状が出てから約1週間後に急速に悪化する特徴があるため、血清抗体の有無を調べることが、確定診断や治療法の選択に役立つことが期待できるとしている。発症後10日以上経過した患者の検体6例で試したところ、すべてで陽性反応を示した。

 また、抗体の有無を調べることで、過去にさかのぼって感染の既往があるかどうかが分かり、今後の疫学調査にも有用としている。

 研究グループは、検査キットの構築を目指すほか、臨床の現場で実施可能な迅速診断法を確立させることで、PCR検査との併用によって、より適切な医療が可能になるとしている

 

 

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