夫婦2人暮らし
手取り収入約58万円
ボーナスが年間で300万円
年収 996万円
退職金 ; 総額 約5000万円
定年直前なのに貯金は100万円
支出は月65万円
約20万円が住宅ローンの支払いで、あと15年
夫婦の年金 手取り約24万円
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定年直前で貯金わずか100万円!月65万円生活を続ける夫婦の末路
2/24(月) 6:01配信
定年退職する数年前から老後の暮らしを心配し、家計相談に来られる人は「老後資金2000万円問題」が大きな話題になる前からいらっしゃいました。ただ、やはり「2000万円問題」後から、その人数は増えたように感じます。
単純に年金保険料をこれまで払っていなくて、老後に年金をもらえないことに焦っている人。退職金をあてにしていたのに思いのほか少ないことが分かり、焦っている人。住宅ローンを一括返済しようと思っているけれど、そうすると老後にお金がいくらも残らなくて焦ったり困ったりしているなど、状況はそれぞれ違います。
中には会社の退職金制度がしっかり整っているのに、定年までに貯金をすることができず、また膨らんだ生活費を圧縮できないため、老後生活に不安を抱えている人もいます。生活費を下げられれば何の問題もありませんが、それができないせいで老後資金が数年しか持たないのです。改善すべき点が明らかなのに、実行できないことが残念でなりません。
● 夫婦2人暮らしで支出は月65万円 定年直前なのに貯金は100万円だけ
先日、退職後の家計について相談に来た会社員のHさん(57)もそうでした。Hさんは2人のお子さんが独立され、現在は妻(55)と2人暮らしです。お子さんが高校生くらいの頃からHさんは役職に付いたことで収入が増え始め、それに伴って支出も増えていきました。そして、お子さんが大学を卒業し、独立された後もその支出額は減ることがありませんでした。
現在のHさんの収支がどうなっているかというと、手取り収入約58万円に対し、支出は約65万円。そのうち約20万円が住宅ローンの支払いで、あと15年続きます。完全な赤字状態ですが、ボーナスが年間で300万円ほどあるため、そこで補填ができてしまっています。
このような収支の状況でも、多額のボーナスがあるので貯金は当然あるのだろうと思いましたが、実際は違いました。このご夫婦は毎月の収支も赤字であれば、ボーナスが出るたびに両親に何かプレゼントするとか、帰省・旅行費用に充てる、高額な固定資産税を払うためなどにお金を使い切ってしまっていたのです。なので、定年目前というのに貯金は100万円もありません。
老後資金の計画はどうなっているのかというと、「退職金で何とかなる」と考えているようでした。Hさんの会社はいわゆる大手企業で、退職金が何層にも分かれて準備されています。企業年金としてDC(企業型確定拠出年金)も準備されており、定年退職時には非常に手厚い退職金を手にすることができます。総額にして約5000万円にもなります。
このようなうらやましく思える状況にあるのに、今の暮らし方を続けていくと、10年しか老後資金は持たないことが分かりました。ご夫婦の年金が手取りにして約24万円にもかかわらず、生活費が住宅ローンも含め月に65万円かかる状況があと15年も続きます。15年間は差額の41万円を老後資金から切り崩さなくてはいけません。年間にすると492万円。10年も続けてしまうと、4920万円が生活費としてなくなってしまうのです。
● 「頑張っても5万円節約できるか…」 金銭感覚が狂った夫婦の甘さ
この事実が分かり、Hさんは焦りました。せめて20年から25年は持つだろうと思っていたそうですが、現実は甘くはありません。そこで、支出をどうすれば下げられるのかを考えた際、住宅ローンという固定費の負担が急に重く感じられたそうです。繰り上げ返済などで早めの完済を目指すことも今は難しいので、他の費用を下げていくしかありません
ただ、妻は「家庭で消費するもので節約できるところはあまりない、頑張ってもあと5万円下げられるかどうか」と消極的です。そもそも2人暮らしで月65万円かかる暮らし方はどうなのでしょうか。ですが、妻は今よりも生活費を下げるとどんな暮らし方になるのか不安になるような口ぶりです。長年の習慣で、金銭感覚が狂ってしまっているのではないかと思えました。
退職一時金でもらう金額と年金でもらう金額の組み合わせや時期を変えてみても、受け取る総額が変わらないことが分かり、このままでは生活を継続できる見込みが立ちません。答えは生活費を下げることにしかないのに、下げられる見込みがある支出を見つけきれないまま、相談時間は終わってしまいました。
収入がたくさんあるからといって、蓄えや老後資金がたくさんあるかといえば、そうではありません。将来は収入が減るのが当たり前で、Hさんの場合は稼ぎによる収入から年金に変わることで減ることが分かっているのですから、その収入に合わせた生活規模にしていかなくては、お金はどんどん減っていきます。そして、それに備えて若い頃からお金をためることが大切なのです。
こういったことが理解できず、定年したら再雇用で働こうか、それともやめてゆっくり過ごそうかなどと考えている時点で、Hさんも妻と同じような考え方であったことが分かります。今のままでは老後貧乏、老後破綻まっしぐらです。早く気が付いて、軌道修正をしてほしいものです。
そして、Hさんのような方は実は少なからずいらっしゃいます。ご自分は老後に向けての資金も生活の縮小も準備できているのか、今一度確認をしてみてください。
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200224-00229646-diamond-soci&p=2
(家計再生コンサルタント 横山光昭)
横山光昭