イオンと、イトーヨーカ堂

 
覇者でもなんでもありません。
 
 
たまたま、他が、だめだっただけですし、
 
 
 
自分たちの足元の欠陥を、整理しないと、
 
 
利益率が、どんどん悪くなります。
 
 
要は、”GMS" 総合スーパーを、即、3年以内に、
 
 
全店、廃止することです。
 
 
これらのお店は、一階が結構大きなスーパー
 
 
二階が、おばさんたち相手の、洋服、
 
テナントの靴屋や、
 
そして、子供や、男相手の、洋服などを販売しているのが、
 
二階なわけですし、
 
三階は、たいていは、レヴェルの低い、フードコートという、
 
 
全国、似たような、コンセプトです。
 
この2階と、3階あるいは、それ以上を、
 
整理しないと、この両方のグループに、
 
利益拡大という将来性は、ありません。
 
 
 
 
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23年ぶり社長交代のイオンの過去と未来 衰退したダイエー、勢いを増すAmazonから分析する

2/20(木) 7:00配信

ITmedia ビジネスオンライン

 

 23年ぶりに社長交代ということで、イオンのここ20年を振り返るニュースをいくつも見かけた。3月1日に代表権のある会長へ就任し、社長をしりぞく岡田元也氏は1997年に“2代目”社長としてジャスコ(現イオン)の社長に就任。当時、年商2兆円強だったグループを、今や8兆円を超える巨大流通グループにまで成長させた。最近では流通業界といえば、イオングループとセブン&アイグループがツートップというイメージだろう。しかし97年時点では、「ダイエー」というトップ企業がまだ、業界に君臨していたし、その他にも大型スーパー企業が数多く割拠していた。この時点では、当時ジャスコだったイオンは売上3位ながら、その規模はトップであるダイエーの半分程度の存在だった。

【画像】1997年当時のスーパー業界ランキング

 当時、横浜で暮らしていた筆者などにとっては、「スーパー」といえばダイエー、イトーヨーカドー、西友であり、もしくは、マイカル本牧という当時としては最新鋭のショッピングセンターや、サティという総合スーパーで、神奈川県内に進出していたマイカルの方がイオンよりもなじみがあったという記憶だ。そのころのイオンは、首都圏にはそんなに浸透していなかったし、もともと地方のロードサイドをホームグラウンドにしていたということからも、首都圏の住人には印象の薄い存在だったように思う。

 しかし、00年前後の金融危機を経て、こうした業界地図は大きく変わった。97年当時の上位企業の多くが再編の波に飲み込まれていく中で、イオングループは再編の受け皿として、他社を傘下に収めることで、業界におけるリーディングカンパニーとしての地位を確立していく。かつてのトップ企業ダイエーさえも傘下とし、並行して地方の食品スーパー再編統合を進めたイオンは、スーパーマーケットの業界において、「圧倒的トップ企業」と言っていい存在となった。

 00年前後、なぜ多くの小売大手が再編に追い込まれたのか。今やご存じない読者も多いと思うので、ざっくり振り返っておこう。バブル経済の時代、既に日本の実体経済が成長していない状況にもかかわらず、潤沢な資金が手元に集まっていた金融機関は、大規模な不動産開発案件への貸し出し競争で成長を維持しようとしていた。店舗や商業施設という、「不動産投資案件」を継続的に生み出す大手小売は、金融機関にとっては“ドル箱顧客”であり、投資効果について大した検証もしないまま、どんどん資金を提供していた。

 こうした金融環境だと、当然ながら投資効果が大して見込めないような採算ぎりぎりの案件がたくさん実現してしまう。今考えてみれば、「信じられない」と思うかもしれないが、成長は永遠に続くというストーリーを、当時、大半の関係者がうたがっていなかった。それでも消費が拡大しているうちは問題にならなかったが、バブルが崩壊して、消費が一気に冷え込んでしまうと、「低採算案件(店舗投資や事業多角化)」は「不採算案件」へと転落し、返済が難しくなった。こうした不良債権が日本全国で、同時多発するという恐ろしい状況が現実に起こったのだ

 

 

 

 

ダイエーとイオン、どこで差が付いたか

 このとき、大半の大手小売企業では不採算店舗が大量に発生し、予定通りの返済が難しくなったのだが、頼みの金融機関は大量の不良債権が同時多発したことで、自身の存続さえ危うい状態に陥っており、大手小売を救済する余力は残っていなかった。従って、大手小売は不採算事業、不採算店舗の割合が高いところから、退場させられることになるのだが、このとき、小売最大手ダイエーとイオンの命運が分かれる。一見、同じような「拡大主義」に見える両者だが実は大きな違いがあった。それは、店舗や事業の「スクラップ&ビルド(新たな投資を行いつつ、陳腐化した資産を処分、もしくは再投資する)」という小売業の基本原則に関わる対応だった。

 多店舗を展開するチェーンストアにおいては、毎年、新しい店舗を出店することによって成長していくというビジネスモデルであるが、一般的に店舗の稼ぐ力は経年劣化していくため、店舗年齢の高い店は陳腐化の進行に応じて、改装するか、閉鎖して別の場所に移転する必要があるというのが基本理論とされている。しかし、高度成長期にそのビジネスモデルを作り上げたダイエーにとって、店舗が経年劣化して不採算店になるという実体験があまりなかったのであろう、店舗をスクラップすることの重要性については看過した。その結果、ダイエーには、本来であればスクラップしておくべきだった高度成長期に作った店舗群が、長く温存されていた。そして、投資可能な資金の大半を、新規投資(店舗や事業)にまわし、陳腐化しつつある店舗年齢の高い店をスクラップすることを怠ったのである。

 ダイエーは、言わずと知れたスーパーマーケット業界における最初の“覇者”であり、初めてほぼ全国展開を果たしたスーパーでもある。ダイエーは、地方の中核都市クラス以上の多くの都市へ進出し、その当時、街の1等地である駅前や中心市街地に店舗を配置した。そして、00年前後になっても、中心市街地の店舗群が大量に残されていた。

 ここまで言うと、気付く方もいるかもしれないが、「00年前後には地方都市の中心市街地って、もうすっかり寂れてなかったっけ?」というのがダイエーが衰退していった背景だ。当時、地方では既にモータリゼーションが進展し、駅前など地方の中心市街地は急速な衰退が進行。さらにバブル後の消費低迷によって、こうした立地にある店舗のほとんどが一斉に不採算店となった(その証拠に、ダイエーのこうしたタイプの店は、今ではほとんど閉店済みで、大半が存続していない)。こうした不採算店群の存在によって、スーパー逆境の時期にもかかわらず、巨額の減損損失によって資本が毀損(きそん)しているという評価を受けたダイエーは、再建のチャンスを失うことになった。

 

 

 

 

 

イオンは積極的にスクラップ&ビルド

 90年代~00年前後のイオン(当時ジャスコ)を見ると、その動き方はダイエーと全く違う。もともと、大手に連なるのが遅れたジャスコは、地方への展開を進めていく際にも後発なので、中心市街地の1等地はダイエーや地場大手に押さえられていた。

 このため、ジャスコ店舗の多くが、クルマの普及によって生まれた「郊外のロードサイド」という新しい立地環境に建てられていた。そして、「これからは地方ではロードサイドが商業立地の中心になる」と気付いたイオンは、中心市街地の店舗についても順次、郊外のロードサイドの巨大な複合商業施設へと転換を進めていった。これがダイエーではあまり見られなかった、イオンのスクラップ&ビルドなのである。

 イオンは、店舗が老朽化したり、環境変化によって立地環境が変化していると判断したときには、ためらうことなく、店舗をスクラップし、新たにつくる。最近でも、筆者の自宅近くにあるイオン天王町店(横浜市保土ケ谷区)が閉店したが、一部スペースをマンションとして分譲しつつも、新たなショッピングモールとして再生させるという。

 この店は確かに老朽化してはいたが、聞いたところによると首都圏でも有数の集客があり、トップクラスの売上を維持していた店であるらしい。小売業界では、スクラップ&ビルドという理屈は常識ではあるのだが、それを実行できるかといえば、必ずしもそうではない。イオンは一見、拡大主義の権化のようだが、実は、基本原則を愚直に守って生き残ることで、結果として覇者となったというのが過去からの経緯なのだ。

 

 

 

 

 

 

イオンの収益源は20年で一変

 イオンの創業家である岡田家の有名な家訓に、「大黒柱に車をつけよ」というものがあるが、これこそ、スクラップ&ビルドの精神を一言で表したものであると言っていいだろう。創業家2代目の“治世”が終わるに際して、多くのマスコミの論評は、トップシェアの小売業グループを作り上げたのは素晴らしいが、これまでの延長線上での巨大よろず屋を作り上げたにすぎない、とか、デジタル化への対応に遅れ、といった批評がなされているようだが、家訓の精神は2代目の時代にも十分発揮されていたという見方もできる。これは、店舗のスクラップ&ビルドのみならず、事業単位でみても同様のことがいえる。

 イオングループの部門別営業利益を00年時点と19年とで比較すれば、その変化は一目瞭然に分かる。00年時点では、総合スーパー部門でほとんど稼いでいた状況は今や一変し、19年時点では金融事業やデベロッパー事業が収益の柱となっている。

 これは、「本業で収益を稼ぐことができなくなった不振小売が、片手間の副業で生活を立てている」という見方もあるだろう。

 

一方で時代の変化に合わせ、大黒柱を別の場所に移して、収益を確保できる体制を構築したということでもある。低収益ながら多くの顧客との接点を確保している商業施設を軸に、デベロッパー、金融などの派生事業で収益を生み出す仕組みを築いたことは、大いに評価されるべきだと筆者は考える。

 いまや小売の王者となったAmazonですら、その収益の多くを非小売部門が稼いでいるのはご存じの通り。

 

 

では、なぜもうかりもしない小売をAmazonが拡大し続けるのかといえば、決して小売の王者となることが目的なのではない。ECの拡大を通じて、膨大な個人の購買行動やその他のビッグデータを収集することにあることは今や周知の事実である。こうした目線でイオンの20年を見てみると、ちょっと違う側面も見えてくる。

 

 

 

 

 

小売りに関する「デジタル化」の誤解

 日本の小売業に関するコメントで、「デジタル化対応への遅れ」というような言葉を使い、対EC小売での劣勢について書いてあるものをよく見かけるが、「デジタル化≒EC対応(もしくは無人店舗化)」といった論調には違和感がある。そもそも、小売業における「デジタル化」とは何かという認識を勘違いしていないだろうか。

 ざっくり言って、デジタル化とはこれまでもデジタルデータとして取り込むことができたPOSデータや、それを個人単位で分析できるIDなどの体制整備に加えて、さまざまなセンサーを活用して画像データ、音声データを収集して、顧客の購買行動を分析可能なビッグデータ環境を作り出すことだと筆者は考える。

 その際、AIやIoTなどの先端的技術が必要とはなるが、これは小売業が開発しなくても、テックベンチャーなどの開発した技術を採用すればよく、この点では“目利き力”さえあればよいということになる。そもそも、こうしたテクノロジーの進化スピードは極めて速いので、技術自体はすぐに陳腐化してしまうし、その分、後追いでも逆転できる可能性はなくならない。そんなことより、小売業として重要なのは、データ化の手法より、データを取得すべき相手、顧客との多様な接点が十分に維持されているか、ということなのだ。

 無人でデジタルデータを完璧に取得できる店舗を用意したとしても、誰もその前を通ることのない場所で営業しては意味がない。データを取るべき顧客が来ないのであれば、本末転倒。デジタル化の遅れとは、さまざまなセンサー付きの無人店舗を作ることやEC化対応、というのも無関係ではないが、まずは、顧客データを取得するためのインフラであるIDの構築と、顧客の生活を伺い知るに足る多様な接点があることが、「デジタル化」のプレイヤーとしての必要条件といえる。顧客との多様な接点があって初めてデジタル武装する意味があるのだから。

 

 

 

 

 

「地方・郊外・シニア」データを持つ強み

 その点では、日本で最もデジタル化に対応できる素地を持っている小売業は、言うまでもなくイオングループだということになる。キャッシュレス決済ブームの前から、地道に浸透させてきた電子マネー「WAON」で取得したデータ量は、国内トップクラスのキャッシュレス決済手段である。その上、シニアに対しても意外と浸透しており、地方、郊外、シニアといったキャッシュレス決済がカバーしづらい顧客層のデータでは、圧倒的な強みを持っている。

 さらに言えば、ショッピングモール運営で国内ナンバーワンの実績があるということは、テナントデータも含めて極めて多種多様な購買情報を入手可能ということでもある。これはかなり大きな強みとなる。例えば、セブン&アイ・ホールディングスの「nanaco」もデータ量は相当な量だろうが、弁当、おにぎり、飲料、お菓子のデータばかりが膨大にあるだけだとすれば、データ価値が高いとは、必ずしも言えないからだ。

 今回、イオンの経営が交代したことの意味は、イオンがこうした自らの潜在価値を十分に認識した上で、データ武装をしていくための、世代交代の意思表示なのだと解したい。もし本当にそうであれば、“巨大なよろず屋”を作り上げたことの真なる価値が、次世代で評価される可能性は大いにあると思うのである。

 

 

 

 

 

 

 

著者プロフィール

中井彰人(なかい あきひと)

メガバンク調査部門の流通アナリストとして12年、現在は中小企業診断士として独立。地域流通「愛」を貫き、全国各地への出張の日々を経て、モータリゼーションと業態盛衰の関連性に注目した独自の流通理論に到達。

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