人権団体、サウジ判決「まがいもの」 カショギ氏息子は歓迎

12/24(火) 6:03配信

時事通信

 

 【ドバイ、リヤドAFP時事】サウジアラビア人記者ジャマル・カショギ氏殺害事件をめぐり、サウジの裁判所が下した判決に23日、国際人権団体などから「まがいものだ」「完全な説明を」と非難が相次いだ。

【写真】サウジアラビア人記者ジャマル・カショギ氏

 判決は5人に死刑を言い渡す一方、殺害への関与が取り沙汰された実力者ムハンマド皇太子の側近2人は無罪にした。

 事件の調査を担当し、サウジのムハンマド皇太子の事件への関与を訴えてきた国連のカラマール特別報告者はツイッターに「正義とは程遠い」と書き込み、判決を切り捨てた。「実行犯には死刑が言い渡されたが、黒幕はほとんど捜査されていない。(裁判は)形だけのまがいものだ」と憤った。

 国境なき記者団(本部パリ)のドロワール事務局長もツイッターに投稿し、今回の判決は「真犯人が永久に黙っていてもいいようにするための手段だったと言える」と問題視。「今なお完全な説明が必要だと思っている」と非難した。

 国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(本部ロンドン)は声明を出し「犠牲者本人にも遺族にも、正義でも真実でもないごまかしの判決だ」と痛烈に批判。「サウジ当局の関与もカショギ氏の遺体の所在も明かされていない」と指摘し、独立した国際機関による捜査が必要と訴えた。

 一方、息子サラー・カショギ氏は23日、ツイッターで「正義は私たち、ジャマル・カショギの子供たちにもたらされた」と歓迎した。「司法の公平性は正義と迅速な裁判という二つの原則に基づいている。サウジの司法制度を全面的に信用している」とも書き込んだ。

 サラー氏は以前にもサウジの司法制度に「全幅の信頼を置いている」と発言し、これを批判する人々については、事件を利用しようとしていると非難してきた。米紙ワシントン・ポストは4月、カショギ氏の子息がサウジ当局から高額の住宅などの提供を受けたと報じたが、サラー氏は金銭的示談を否定している。

 

 

 

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