世界遺産、アフリカのビクトリアの滝がカラカラ 気候変動の影響か

 
 
 
 
 
 
アフリカのジンバブエとザンビアの国境にある世界遺産、ビクトリアの滝が、100年ぶりといわれる最悪の干ばつに襲われ、干上がっている。観光にも影響が出る恐れがある。

アフリカ南部、ザンベジ川にあるビクトリアの滝の素晴らしい眺めを楽しむため、この数十年間、何百万人もの観光客がジンバブエやザンビアを訪れてきた。
それが今や、100年ぶりといわれる干ばつで水量が大幅減少。気候変動がこの観光名所を破壊する恐れが高まっている。

観光業者のデービッド・サマランボ
「渇水期には毎年このように乾燥するのが普通だが、今年は6月からもう、これだ。
ビクトリアの滝では、過去最長の渇水期の1つだ」

ザンベジ川の管理局によると、水量は1995年以来最低で、長期平均を大きく下回っている。

水量には季節変動があるため、科学者らは気候変動のせいにすることには慎重だ。
地元の人々は、水量が早期に回復することを願っている。観光に大きく依存しているからだ。

サマランボ氏
「観光業は以前ほどうまくいっていない。今シーズンはたくさん雨が降り、多くの人がビクトリアの滝に集まることを願っている」

ジンバブエとザンビアは、滝の上流にあるカリバダムの発電所での水力発電に大きく依存しているため、干ばつによって電力供給が停止した。

滝は現在、ただの岩場のようになっていて、水量は劇的に少なくなっている。
国連気候変動枠組み条約第25回締約国会議(COP25)のために世界の指導者たちがスペインに集まっている一方、アフリカ南部ではすでに最悪の影響が。
蛇口からは水が出なくなり、広範囲にわたる不作の中、約4500万人が食糧援助を必要としている。