この記事の主題とは、少しずれますが、

 

(日本も・東京もそうですが)

 

 

パリや、

 

マンハッタンの地下鉄に乗れば、すぐにわかりますが、

 

 

まず、(もちろん、時間帯や、路線にもよりますが、一般論としてですが)

 

 

90%は、西欧を起源とする白人たちではありません。

 

 

そして、パリも、マンハッタンも、

 

 

(東京も)

 

きちっと決まった、”身だしなみ”の人

 

 

清潔感のある、バチっとした人

 

 

カッコいい人

 

 

奇麗で、魅力的な人

 

 

重厚そうで、威厳もあるような紳士的な人

 

如何にも、裕福そうな人、

 

 

などなどは、

 

99%、

 

ほぼ、見つけるのが、超・難しい感じの”時代”

 

”社会”

 

になってきました。

 

要は、

 

アンチックや

 

ヴィンテージや

 

祖父母からの、譲受や、

 

など、のみでなく、

 

汚らしく

 

薄汚そうで

 

くたびれていそうで

 

貧相で

 

カッコイイとは言えそうにもない

 

感じの物を持ち、そういう格好の人々が、

 

多くなっているのが、パリです。

 

60年前、50年前に、

 

 

抱いたような、

 

 

典型的なフランス人で、

 

 

おしゃれも、上手で

 

 

カッコいい男女も多く

 

 

真似したいなあ、というそぶりなどの人も多く

 

などの、人に遭遇する何て

 

パリでは、99%、皆無です。

 

悲しいかな、東京でも同じです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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フランス人が「くたびれて不便なモノ」を好む理由

10/1(火) 8:01配信

現代ビジネス

 

 消費税があがった。モノを買うのを一切控えるというよりも、本当に買いたいものを見極めるいいチャンスと考えるのがいいのではないだろうか。20年間パリに住み、現在日本に帰国しているエッセイストの吉村葉子さんのベストセラー『お金がなくても平気なフランス人、お金があっても不安な日本人』より、オンラインで初めて記事を抜粋掲載する12回目は、ケチと言われるフランス人の「モノ」に対する価値観をご紹介しよう。

フランス人がフライパンを熱いうちに絶対洗わない理由

 

 

 

 

 

 

管理職たちが猛烈に仕事をするのがフランス

 日本人は働き者だし、勤勉な人種にちがいない。世代によるという人もいるけれども、よその国の人たちにくらべれば、若者たちもよく働く。フランス人は働かないといわれるけれども、みんながみんな働かないわけではなく、トップの人たちは実によく仕事をする。たとえば故ミッテラン大統領など、多忙な在任中になん冊もの著書をのこしている。それもゴースト・ライターに書かせたのではなく、寸暇を惜しんでの執筆である。高級レストランのシェフたちも、私たちの想像を絶するほどの労働時間だ。夜明け前、パリ郊外のランジスという中央市場に自ら仕入れにいき、厨房に入って深夜まで、エネルギッシュな一日がくりひろげられる。

 トップ以下の管理職たちが猛烈に仕事をするのが、フランスなのである。ところが、どんなに働いたからといって、えらくなる見込みのない人たちの仕事ぶりは緩慢そのもの。パリの郵便局や駅の窓口が混雑しているのも、スーパーのレジに長蛇の列ができるのも、そこで働いている彼らの能率の悪さのせいだ。郵便局や駅の窓口、スーパーのレジのお姉さんとか、フランスを訪れた私たちの目につく場所にいる人たちが怠惰であるがゆえに、とかくフランス人全員が働かないという印象が私たちに根づいてしまうのである。アッパー・ミドルあたりからのフランス人は、大変よく仕事をする。その点、日本はフランスと正反対だ。

 日本の場合は、中間管理職以下の労働者が素晴らしくよく働く。郵便局の窓口にいる職員の対応は、信じがたいほどスピーディーだし、市役所の係員、スーパーの店員、掃除のおばさんまで、彼女たち彼らの勤勉さには頭がさがる。ちょっとした誤解や手ちがいが生じようものなら、すぐさま彼らはすいませんでしたといってあやまる。そしてお客たちは、迅速なサービスが当たり前だと思ってしまう。なにかにつけて対応の悪い外国生活に慣らされていた私は、わが国はサービス大国に思えてしかたがない。そんな私の最大の驚きは、宅配便である。

 

 

 

 

 

日本の宅配便は素晴らしすぎる

 モノを送るにも、安くて早く確実な宅配便は、市民生活の必需品だ。フランスの友人たちが日本の宅配便を知ったら、まちがいなく感動する。そして次にきっとこういうにちがいない。

 「宅配便のお兄さん、どうしてそんなにお客に小さくなって、どうしてそんなに夢中に働くの。そもそも、どうしてそんなに急いで届けなくてはならないモノばかりなの」

 よくよく考えれば、そんなに急ぐ必要もない。宅配便はありがたいけれども、なくてもすんでいた時代もあったのだから。もっと早く、もっと早くとせかしせかされる気持ちが、私たちにはあるようだ。

 もっと早くとか、もっとたくさんとか、もっともっとは欲張り日本人の十八番だ。ルーヴル美術館にいけば、すみからすみまで泰西名画を鑑賞しないと気がすまないし、パリにいったからにはエッフェル塔に登らないと気がすまない。パリでのことだけでなく、わが国でもたしかに私たちは勤勉だ。残業をしてまでも、自分に課せられた仕事を終わらせないことには、気がすまないのだから。ものごとを徹底してやらなくては気がすまないという、この遂行心はいったい、なんなのだろう。

 

 

 

パリジェンヌたちの持っているバッグはどれも、そうとうくたびれている

 パリを訪れる日本のお嬢さんたちが、シャネルやエルメスの大きな紙袋をかかえてはホテルに入っていく姿を見て、私の友人は日本にはいいバッグがないのと聞いた。

 ご主人の誕生日プレゼント用の名刺入れを買いに、サン・ジェルマンにあるルイ・ヴィトンのブティックにいった私の親友のマダムは驚いて、こうもらした。

 「どうして日本人は、一度にたくさんのモノを買うの。バッグをいくつも買って、お財布を買って、小物入れも買ったのよ、私の前にいたマダムは」

 そういわれてみれば私たちは、フランス人よりもモノをたくさん持っている。カトリーヌ・ドヌーヴやパトリシア・カースならいざ知らず、おしゃれでは定評があるパリジェンヌでさえ、そうたくさんのモノは持っていない。

 それからというもの私は、パリジェンヌたちに会うたびに、彼女たちが持っているバッグを観察してみた。
そうして出た結論は、彼女たちの持っているバッグはどれも、そうとうくたびれているということだった。くたびれている……。それは私たち日本人なら、とっくに使わなくなっているほどくたびれていた。やはり私たちは、パリジェンヌたちよりもハンドバッグをたくさん持ちすぎているのはたしかだ。

 もっと欲しい、もっともっとという飽くなき物欲に突き動かされて、私たちはブランド品をいくつも買う。というと物欲の権化のようで、いやらしくなってしまうが、事実だからしかたがない。私はちがうという人でさえ、パリジェンヌよりはたくさんのバッグを持っているはずだ。

 

 

 

 

 

「日本車は素晴らしい。でも不便なプジョーに乗りたくなったんだ」

 でも待てよ、足ることを知らないエネルギーには、プラス面もあると思う。日本人特有の、もっともっとと際限なく広がる欲望が、物欲に突き進むから問題なのであって、別方向にすすんだとしたら、むしろ歓迎したい。たとえば、これでもかこれでもかと迫る技術革新にしても、そうした私たちの欲望の表れにちがいないから。

 親友のエリックは、大のクルマ好き。私たちが知り合う以前の80年代、彼はニッサンのセドリックに乗っていた。フランスの日本車輸入規制のために、当時のパリではニッサンが手に入りにくかったので、彼はわざわざベルギーに買いにいったほどだ。次に彼が選んだクルマは、トヨタの高級車セルシオである。日本車を知る以前のエリックは、メルセデス一筋だった。そしてセドリックに乗りかえたとたん、彼はすっかり日本車にはまってしまったのである。

 私に会うたびに彼は、クルマの話題だけで通した。そのころの私が乗っていたミニ・クーパーなんて前世の遺物と、彼はさかんにののしった。エリックは私の顔を見ながら、ただただいつも日本車を絶賛する、このように。

 「素晴らしい、ヨーコ。日本のクルマは世界一だね。ボクが望んでいることを知っているみたいだ。窓の外に手を出さなくてもサイド・ミラーが動くし、オイル交換もないにひとしい。ブレーキは自動制御だから、オートルートでは、居眠りさえしなければいい。前方の安全確認も完璧で、車間距離までチェックしてくれるクルマなんて奇跡だ。おまけに燃費もいいし、これではメルセデスもルノーもかなわないよ」

 セドリックをセルシオに乗りかえてからも、エリックの日本車びいきは続いた。日本の高級車が盗まれやすいと聞いて、駐車場までの距離が遠くなるのもものともせず、パリで一番安全なパリ警視庁の地下のパーキングを借りた。そのころ私はミニ・クーパーをやめて、はじめてフランス車のルノーにかえていた。そして久しぶりに会ったエリックが、私の予期しないことをいったのだった。

 「今、なにに乗っていると思う? プジョーですよ。日本車は実によかったけれども、ボクは卒業したんだ。なにもかもオートマチックで、はじめはそれが嬉しくもあったんだけれども、もういい。バカンス先で借りたクルマがマニュアルだったから、初日はちょっとギクシャクしましたよ。だって15年間もマニュアル車に乗っていないのだから。ところがですよ、慣れたらそれが面白いのよ。まるで自動車の教習所に通いはじめたときみたいにね。分かるかな、ヨーコ。日本車は素晴らしいと今でも評価するけど、不便なプジョーに乗りたくなった」

 やれやれ、先端技術が魅力でなくなったら、日本車のメリットはどこにあるだろうか。マニュアルのよさといわれたら、とどまるところを知らない技術革新の行方はどうなる。

 フル・オートマチックの日本車に二度までも浮気したエリックだったが、やはり彼はフランス人。よれよれのくたびれたバッグでも、まだ使えるという彼女たちがいる国の人だったのである。

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『お金がなくても平気なフランス人、お金がなくても不安な日本人』日本が大好きだから、そしてフランスも大好きだから、そのいい所を思う存分真似したら、もっと幸せになるんじゃない? 底抜けに明るく優しく、かつ鋭い視点をもつ吉村葉子さんが20年間のフランス生活を振り返ってまとめたエッセイ集。考え方ひとつで不幸だと思っていたことも幸せになるし、人生は楽しくなる! その中から厳選したエッセイを特別に今後も限定公開予定。お楽しみに! 
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吉村 葉子

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20191001-00067450-gendaibiz-int&p=3