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写真は、上から、


6万6000円、問い合せ=マルイ(TEL 078-451-2742)


今回試乗したコミューターバイク、シュウインの「ランデブー1」。シュウインはBMXの父ともいわれる「スティング レイ」を発売したメーカーとして知られるが、コミューターバイクも数多く出している。ランデブー1は丈夫なクロモリフレームにペットボトルホルダー付きのバスケット、英スターメーアーチャー製の内装5段変速機などを組み合わせ、車輪にはカラーリムを採用するなどセンスの良いルックスが特徴のモデル。サイズはXSとSを用意している




価格は19万3000円、問い合わせ=アキコーポレーション(TEL 06-6995-7880)






17万4800円(24D)、22万8800円(27D)、問い合せ=モトクロスインターナショナル(TEL 052-773-0256) ※写真は24Dで別売りのサイドバッグ「X2 カーゴバイクバッグ」を装着








スポーツサイクル規格のコミューターバイクが増殖中、ライバルは地下鉄やバス?





スポーツサイクルを手に入れたことで日常生活のスタイルがガラリと変わった――東京などの都市部では、こういう人が多い。万年渋滞の都内において、スポーツサイクルの機動力はクルマや電車を上回る実用性があるからだ。

 ガソリン代や駐車場代、電車やバスなどの乗車賃もかからず、ダイエット効果まで期待できる……そう考えると、スポーツサイクルは都内で極めて“合理的”な交通手段と言えるかもしれない。

 “コミューターバイク”とはまさにそうした都市部での移動を想定し、カゴやキャリア、泥除けなど実用的な装備が与えられた自転車のことである。

 もっともコミューターバイクにはロードバイクやマウンテンバイク(MTB)、クロスバイクのように明確な定義があるわけではない。強いて言えば「スポーツ」ではなく「日常生活」にフィットした自転車ということになる。




スポーツサイクルの規格で作られた実用車

 ではここ日本で最も日常的に使われている実用車、いわゆる“ママチャリ”とコミューターバイクはどこが違うのか?

 簡単に言うと「走行性能」が大きく違う。コミューターバイクはいわばスポーツサイクルの規格で作られた実用車なのだ。

 剛性の高いフレームに多段ギアや回転抵抗の少ないハブなど、クオリティーの高いパーツを組み合わせているので一般車(ママチャリ)に比べてより長い距離を速く快適に走ることができる。もちろん、その分高価ではあるが、クルマや公共交通に頼らない都市生活を充分可能にするポテンシャルを持っている。

 一方で、ひと口にコミューターバイクといっても「実用」に対するアプローチはさまざまだ。市街地の低速走行に特化したものから大きな荷物を運べるもの、なかには実用車でありながらロングライドだって対応できるモデルもある。

 数年前から、自転車都市として世界的に知られている米国ポートランドのビルダー(自転車フレームを製造する工房のこと)がサイクルショーに数々のコミューターバイクを送り出して注目を集めたことで、このカテゴリーはいっそう洗練されたものへと進化した。



“楽しく走れる”のも実用性のうち

 今回試乗したのは米国シュウイン社の「ランデブー 1」というモデル。乗り降りしやすいスタッガードフレームに前カゴ、前後泥よけなど、ルックスはかなり一般車に近いが、内装式5段変速機や、クロスバイクと同じ700Cサイズのタイヤなどが採用されているところがひと味違う。



特徴的なのがフレームと同色のアルミ製フロントバスケット。底板に木製を用いるのがこの手の自転車では近年のトレンドとなっている。一般車によくあるワイヤーを格子状に組んだ素っ気ないバスケットとは質感が大きく違うし、両サイドにペットボトルを水平に入れられるギミックも楽しい。

 スポーツサイクルに乗り慣れた人が一般車に乗り換えると、すべてがあいまいな、ぐにゃぐにゃした乗り味がつい気になってしまうものである。しかし、この自転車ではそうした違和感はない。フレームの剛性がしっかりしているので、脚力がロスすることなく車輪へと伝わる実感がある。同じ理由で、直進安定性も高く、まるでクロスバイクのようにとても気持ち良く走れるのだ。




実用車でありながら“走るのが楽しい”というこの要素はいわゆるママチャリにはない、コミューターバイクの大きなアドバンテージだと思う。

 一方で、この自転車に搭載されている内装5段ギアはかなり街乗りを重視したセッティングになっている。ハイスピードで巡航するのには明らかに向かないが、坂道などでは充分に仕事をしてくれるだろう。



 コミューターバイクは価格が高いこともあって、ある程度自転車文化が成熟した地域でないと評価されにくい面がある。その見た目から“高いママチャリ”だと誤解されてしまうのだ。しかし、移動手段としてコミューターバイクを見たとき、比較するべきはママチャリではなく、じつはクルマや電車なのである。



BE-ALL「BS26-Di2」は軽量なアルミフレームに電動変速機「アルフィーネ Di2 11スピード」を組み込んだ上級モデル。

 手元のボタンを軽く押すだけで11段ものギアを自由自在に動かせる快感はまさに高級自転車の風格。ディスクブレーキやハブダイナモ式のLEDライトを装備するなど、ユーティリティーにも抜かりはない。タイヤは26インチとなっており、フレームサイズは420のみ。



自転車の概念を覆すような積載力を誇るロングテールバイクもコミューターバイクの1つ。「エッジランナー」は、後輪を径の小さい20インチサイズにすることで重心を下げ荷物積載時の安定感をさらに高めたモデル。

 長距離の移動も可能な27段変速仕様の「27D」と、近所の買い物などに適した24段変速仕様の「24D」をラインアップする。フレームサイズは16.5インチと19インチの2種類が用意されている。

(文・写真/佐藤 旅宇)