2019年前半、最高の家です。
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木造平屋の面影が美しい、ロフトのある小さな家
広さは関係なく、大切なのは「お気に入り」が詰まった空間。そんなことを、改めて気付かせてくれるリノベーション住宅です
大阪・池田にある、昭和初期に開発された平屋が多い住宅街。ここで訪ねたのは、築80年近い木造平屋をモダンにリノベーションした、コンパクトな高気密・高断熱住宅だ。古い柱と梁の温かみをそのままに生かした、家族が暮らす家をご紹介する。 メール保存 どんなHouzz? メール保存 まずは、プランニングの段階でレイアウトを工夫し、既存の建物の構造を引き延ばす形で、限られた敷地内ぎりぎりまで居住空間を広げた。制限上、2階建は難しかったが、代わりにロフトを設置。縦に空間をひき伸ばすことで、天井が高く広々とした雰囲気をを演出した。 メール保存 古い柱と梁の撤去は難しかったため、新設の木構造と一体にすることで耐震補強を行った。「壊した方が早い状態でしたが、できるだけ残す部分は残す必要がありました。工事中、この古い柱を大工の方がちゃんと磨いてくださっているのが印象に残っています。古いものを捨てずに蘇らせることは大切ですし、ストーリーのある家に仕上がりましたよね」と平川さん。 メール保存 母屋と息子夫妻の家の間は、緑の植栽が美しいウッドデッキで繋がっている。玄関から入って右手にある大きなスライド式ドアを開けると、そのままウッドデッキに繋がる仕組みだ。ウッドデッキと室内の間に段差がないため、天気の良い日はドアをあけ放し、自由に出入りができるように工夫した。室内からウッドデッキまで視線が通り、空間がより広々と見える。 メール保存 飲食店の板前として働くご主人は、仕事の都合上、日中に仮眠を取ることが多い。家族の異なるスケジュールを考慮し、空間毎に開閉可能な仕切りを設けた。来客の際や、ご主人の休憩中に子供が遊ぶときなどに便利だ。コンパクトな空間だからこそ、用途に合わせてプライベートとパブリックを緩やかに仕切れる仕掛けが嬉しい。 メール保存 ダイニングの隣は、スライド式の仕切りを挟んでリビングとなっている。スペースを有効に使い、すっきりとさせるため、TVボードは使用せず壁掛けタイプのテレビとした。現在はソファを起き、家族でゆったりと団欒できる場所となっている。奥のドアを開けると、家族の寝室である和室がある。 メール保存 リビングから繋がる、ニューヨークスタイルのタイルをあしらった洗面所。スタイリッシュで、コンパクトだ。 メール保存 階段を登ると、アーチ型の窓からリビングが見下ろせるロフトが広がる。「どこにいても家族の気配が感じられる、ということを意識しました」と奥さま。ロフトは現在は収納場所として使用しているが、将来的には子供部屋にする予定だ。手すりを取り外し、窓枠の部分にカウンターをおけば、デスクトして使える高さとなっている。 メール保存 「ずっと一軒家に憧れがあって、小さい頃から図面を使って遊んだり、家づくり関係のテレビ番組もよく見ていました。でも、大人になって少し諦めていた部分もあって」と奥さま。
Mariko Sugita
2019年7月8日 日英バイリンガルで企画編集、執筆、インタビュー、取材調査、翻訳を行うフリーランス。カナダ在住。都市デザイン、街づくり、建築部門を専門としていますが、デザイン、ITなど、幅広いトピックで柔軟にお仕事可能です
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