BlogMagazine-SoL -『ソル』-ママ&ワイフを楽しむおんなたち-brazil


2016年のオリンピック開催がブラジルのリオデジャネイロに決定した。テレビに映し出されるブラジルの熱狂ぶりを観ながら遠い昔に過ごしたブラジルの日々を思い出した。

お世話になったファミリーはポルトガル系ブラジル人のお父さん、日系4世のお母さん、高校生の兄妹の4人家族でごく一般的なブラジル人家庭だと思っていた。
ところが「ようこそ、我が家へ!!!」と招かれたのはプールとテニスコートがありベッドルームが10もある豪邸でempregada(住み込みのお手伝いさん)が何人も居たのだ。
「トウコ」と書かれたプレートが架けられたベッドルームのドアを開けると20畳ほどの部屋にバスルームがついている。あまりの広さに落ち着かなくて『ブラジレイラどらえモン』になってこの部屋のクローゼットで寝起きをしたこともあった。

ブラジルでは日本の超派手婚並みの誕生パーティをする。マジシャンをよび花火を上げドレスアップして大騒ぎをするのだ。毎週のように誰かしらの何だかパーティがあり、ステイ先の同い年のJuliana(ジュリ)のクローゼットには衣装がズラリ。ドレスがないからパーティには出られないわ……と和製シンデレラのわたしは思った。「わたしのドレスをお直して使って」とジュリは何枚もドレスをお直ししてくれた。

そしてパーティでは最終的に何故か水着になる。そのための極小ブラジル水着も選んでくれた。ドレスも水着も布が小さいっ!と初めは腰が抜けたが、郷に入ればとか、南国に来た開放感とか、日本から2万キロも離れているとか言って毎週のように自称セクスィー和製シンデレラになったのだ。
夜中に部屋に戻り南十字星を探しながら「両親よ、ごめんなさい。今を楽しんでいます」と何度もつぶやいてクローゼットで眠った。

日本の小さな子供部屋で地球儀を指で軽くはじき回していただけで終わらなくて良かった。ブラジルで過ごした半年間はわたしの生き方の基本になっている。

「Toko,carpe diem!(トウコ、今を楽しんで!)」
「Sim claro!(もちろん)」


written by 葵陶子