SoLライター陣がおすすめするカルチャーアイテム。
今月のテーマは「泣ける絵本」!

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くまのこうちょうせんせい/こんの ひとみ
¥1,260
Amazon.co.jp

いもとようこさんの優しいタッチのイラストで綴られる心温まる一冊。


この絵本は実話をもとに書かれた作品です。
余命3カ月を宣告された、とある小学校の校長先生が最後まで命の授業をします。


小さな声でしか挨拶を出来ないひつじ君。くまの校長先生は「勇気を出せば大きな声がでるよ」と励まします。しかし校長先生は病気になり、健康な身体もそして大きな声も失ってしまいます。そして、大きな声を出したくても出せないこともあるということに気づきます。


失って初めて気がつくことってありますよね。
親は自分の子供がよその子供と比べ、ここが劣っているということに一喜一憂しがちだけど、この本を読めば、ありのままの子供を素直に愛せます。
また、普段鬱陶しく感じることもある夫にでさえ、そばにいてくれてありがとうと思えたりもします。鏡にうつる自分の憎憎しいお腹の脂肪も、目じりのしみもみんなまとめて愛せる。そんな勇気をもらえます。


大人にも響く絵本。実在した校長先生の命の授業がこれからも波及効果で広がっていく。人の死は終わりではなく、形を変え、温かい思いが残された人たちの心のなかで生き続けるのかもしれません。



written by Kana