突然ですが、休刊のお知らせです。

2008年7月のスタート時から共に活動してきた編集部員2名が、このたび目出たく懐妊となり戦力外通告……じゃない、産休の申し出を受けたため色々考えた結果、少し休みを頂くこととしました。この先どうする?という話になったのは一瞬だけ。「じゃあ、休もうか」と自然の流れであっさり決まりました。主婦だけど、母だけど、女であることを忘れない私たちがこの先も細く長くやっていくためには、少ない編集部員でギリギリにやっていくよりもいいだろうとの判断です。
まあ、新しい編集部員を入れてやっていくことも考えられる選択肢だったのかもしれませんが、今の編集メンバーはなかなか優秀で、その代わりを探すとなるとこれもまた大変だな……というのもあったのは確かです。2人がこの先子育ての中から新しい“女像”を見出すことを期待して、カムバックを待つことにします。

思えば色々ありました。

最初は本当に色々と模索していて、ただ、まずは原稿揃えなきゃ!という感じだった気がします。初期メンバーには随分無理を言ったし本当によくやってくれたと思います。
けれど、素人ながらに結構面白い文章が集まったと思うし、多くはなくとも読者もついてくれました(サンクス☆)。アロマとか美容とかセックスとかベビマとかありながら、基本“愛”について語ってたのが2008年最初のSoLで、働く母やカルチャーに力を入れたのが2009年のSoLでしたね。
自分的には2009年の方が力を抜いて書けたし、ライター数もぐっと増えたので楽に出来た気がしています。ただ、2008年の時の方がものっすごい真剣で何度も何度も推敲を重ねていたかもしれない。
いずれにせよ、どちらも楽しい時間だったことは確かです。得意分野と言えば美容系で、その他はとくに特技もないのによくここまでやってこれました(すみません、自画自賛です)。

なんか面白いメンバー揃えよう!と思った割には自分の精力が尽き果てた瞬間があって、その強烈な個性達をうまくまとめられない時もありました。非常に辛かったけど、それを出来ない自分も自分なのだと認めたときに、すべての物事が軽くなったのです。みんな大人で、みんなSoLをなんとかしようと考えてくれていて、ひとり相撲じゃなかったんだと知ることが出来たから自分的には良かったかもしれない。人間だから気持ちが寄せたり離れたりすることもあるけれど、そうやって繰り返しながら徐々に小さな輪となって、うまく繋がっていくのだろうな。

このタイミングで休刊となるのもきっと何かの作用が働いているのに違いないでしょう。運用部隊が全員ママになることで、次世代SoLは更に更に魅力を増すかもしれないから。今から再び集えるときが楽しみで仕方ありません。その頃には私もラブを手に入れて、デートネタは提供出来ないかもしれないなぁ!……と、希望的観測を述べておきます。いついかなる時にもハイヒールは脱がないで“女であることに全力投球”し続けていくつもりです。

SoLは長く続いていきます。
また再び相見える日まで、アデュー・アデュー・アデュー☆


written by YUKAKO

2007年7月から続いてきたブログマガジンSoLですが、
2010年2月末でしばしのおやすみをいただきます。
休刊にあたり、SoL初期メンバーがそれぞれの思いを綴ります。

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■編集長YUKAKO

BlogMagazine-SoL -『ソル』-ママ&ワイフを楽しむおんなたち-YUKAKO
最初はとにかく、「原稿集めなきゃ!」という気持ちがいっぱいで、それから同じように「原稿書かなきゃ!」だった。編集しつつ書く、というスタイルで編集部員は結構頑張っていたと思う。
自分的には『ハンサムに生きる』 シリーズが書いてて楽しかったな。自分自身も含めて、読んで活力が得られるものが書きたい!と思ったので色々なところから言葉を探して来る面白さがあった。
もともと長嶋茂雄氏の言葉が印象深くて(自分が何をしたら周りが喜んでくれるか、というフレーズ)これを紹介したかったのが始まりだったのだね。
女であることを忘れない、と言いながら萎れやすい花も持ち合わせた女性達。心に栄養を注いでいつも輝いて欲しいという気持ちがあったのだ。

でも言葉を集めるのも結構大変で、家にある本はあれもこれも引っくり返してみたし、雑誌からピックアップしたものもあった。どうしても探しきれな くて本屋に出向いて、様々な本を読んでビビビ、っときたものをさっそくピックアップしたりした。そうやって寄せ集めた言葉達が眠っているコラムなのだ。

仮に誰かがあれを読んで、少しでも勇気が湧いてきたら、それはそれでまた嬉しい。次の機会があったなら、あの続きを書いてみたい。アラフォー世代の私たちが選ぶ、数珠玉の言葉達を拾いあげつつ。

■アシスタント:織部桃
BlogMagazine-SoL -『ソル』-ママ&ワイフを楽しむおんなたち-織部桃
SoLの会合に初めて参加した夜、脳細胞の興奮に打ち震えながら、私は1冊の本と1人の乳児を抱きしめて、眠りについた。美しく聡明で色気のある編集長は私の中の平塚雷鳥のイメージと見事に重なった。さらに、猛烈なテンポで繰り広げられたぶっとび会話の内容は、まさに平成の青鞜社そのものであったのだ。SoLで私は「織部桃」として念願だった短編を人生で初めて一本書き上げたし、あの日、私の横で芋虫のように寝っ転がっていた赤ん坊はもうすぐおむつがとれる。この3年でメンバーの環境は色々と変化したが、何やらそれぞれに幸せな結末を迎えつつある。青鞜の休刊とSoLの休刊。おそらく一番大きな違いはそこなのではないだろうか。「結婚も出産も仕事も」。SoLとの出会いは私の人生にとっても財産であるし、SoLに関わった女性達は、これからも欲張りに女の人生を楽しんでいくに違いない。

■人事担当:ナオト

BlogMagazine-SoL -『ソル』-ママ&ワイフを楽しむおんなたち-ナオト
最初にSoLに誘われた時に、何度も自分でいいのか確認したっけ。だって他のメンバーの文才に比べ、私だけ小学生の作文みたいだったんだもの。それでも「何か活動して頑張っている私だからいい」と温かく受け入れてくれて有難かったな。
最初はきつかった。1ヶ月に4本書いていた時は常にネタ探しで頭の中がぐるぐる。でも、文章を書くというのは頭や心の整理にもなるんだ、と面白さを発見出来たりもした。
いろいろメンバーと話し合い、時にはぶつかって試行錯誤しながら形を変え、続けてきたSoL。たくさんの素敵なコラムを提供してくれたライターのみんなに は感謝してもしきれない。素晴らしい仲間と消えないコラムは人生の宝物になりそうだ。おばあちゃんになってから、読み返すのが楽しみ!長い間SoLを可愛 がってくれた読者の皆様にも最大級の感謝を!また、会いましょう♪

■校正・サイト管理担当:cheeco
BlogMagazine-SoL -『ソル』-ママ&ワイフを楽しむおんなたち-cheeco
シモネタとネオン街にしか興味のない私が、いったい何を発信できるんだろう?と、ずーっと手探りだった。だいたい、基本的な文章力を持ち合わせてないのに最大公約数的な内容を書いたって面白くないんだから、だったら書きたいことを書こうと腹をくくって、男の乳首や夢精、風俗など、好き勝手書かせてもらった。思えば、SoLのカラーとは違ったかもしれない。でも、あの時の私だから書けたことを残せた、という点では満足している。

年に数度訪れる業務繁忙期に、執筆作業と編集作業の両方が重なったときは、体力的にも精神的にもそうとう辛かった。そんな中、ライターの方には快く協力していただき、助けていただいた。彼女たちには未熟な私がいろいろ意見や無理を言って、今でも申し訳ないという気持ちでいっぱいである。

2010年5月、私は出産する。興味の対象がネオン街からベビー用品になった。
これからさらに訪れるであろう変化に不安はあるけど、SoLのおかげで、ネオン街では出会うことのない、木漏れ日や陽だまりが似合いそうなママの先輩達と知り合え、非常に心強い。
シモネタに興味ちんちんという点は変わらないけど、それも私だ。

■更新担当:yukyux
BlogMagazine-SoL -『ソル』-ママ&ワイフを楽しむおんなたち-yukyux
女だけが集まって何かをやるなんて、絶対面白そう!と、自分の文才のなさを省みずに参加したSoL。会社と家と(時々居酒屋)の往復の毎日に SoLの活動が加わり、それをきっかけに輝く女性達と出会い、オッサン色で染められた私の生活にほんの少し『女性らしさ』をもたらしてくれました。
私には今年の3月に初めての『出産』という大仕事が待ち受けています。想像以上に過酷であろう育児も「SoL再開した時のネタになるわい」とネタに変え、みなさんをお手本に自分らしく前向きに今まで以上に楽しい生活になりそうと期待でいっぱいなのも、SoLのお陰。
次回SoL再開の時は『オッサン+ママ=?』の答えが出ていることでしょう。その答えがみなさんのように『輝く女性』であるかどうかは、我ながら楽しみでもある今日この頃です。


SoLライター陣がおすすめするカルチャーアイテム。
今月のテーマは「夫からの印象的なプレゼント」!!


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夫とお付き合いを始めて1ヶ月そこそこで遠距離恋愛になって3ヶ月目。私と彼は完全に盛り上がっていた。会えない時間が育てた欲求不満……もとい愛を深めるべく夏の休暇を一緒に過ごそうということになった。


「陶子の誕生日も近いから旅行をプレゼントするよ」


そして旅行会社で彼が手に取ったのは「ハワイ7日間」のパンフレットだった。彼の恋の病は私の病と比にならないくらい重病だった。
「新婚旅行ですか?」とにこやかな旅行会社の方に彼は「まぁ、そんなところですかね」とテレながら言い放った。


そんなところって、どんなところ?
7日もの間、未知の生物同士が遠くの異国の地で寝食を共にして大丈夫か?捕食同士だったら血生臭い旅行だ。


旅行では目が覚めるまで眠った。波音を聴きながら木陰で本を読んだ。手を繋いで散歩をした。笑い転げ美味しいものを食べた。水の中も星空の下も一緒だった。


旅の過ごし方が似ていた。この人となら何日、何年、何十年と旅をしても楽しいだろうと思った。


「来年もその次の年も連れてくるから」


ベッドに寝転んで夕日で本を読んでいる私に向かって、夕日のバルコニーでビールを飲む彼が言った。ちょっぴり涙が出そうになって波音に合わせて呼吸をしながら寝たフリをした。


翌年、私たちは同じ夕日をそんなところの新婚旅行で二人並んで見ていた。


written by 葵陶子


幸せの青い鳥は本当に最初から家にいたのかな、とふと思うことがある。
チルチルとミチルは青い鳥を探して様々なところを旅したけれど、結局は自分の家の鳥かごの中にいた。幸せというのは気がつかないだけで本当はごく身近なところにある。だから身近な幸せを大切にしなさい、という寓話として知られるメーテルリンクの『青い鳥』。
それではチルチルとミチルは旅に出る必要はなかったのだろうか。彼らは最初から家の中や身近なところに目を向けるべきで、青い鳥探しに費やした労力や時間は無駄だったのだろうか。

フィリピンの市場で夢のように美しい魚を見た。
SoL -ソル-  ママ&ワイフを楽しむおんなたちのブログ。-fish

北海道の地味な色合いの魚を見慣れている私にとって、鮮やかな黄色と青のボーダーやピンクと水色のチェックの魚がこの世に存在すること自体、信じがたいことだ。ペットショップで売られている熱帯魚のような小魚ではなく、両手で抱えるほどのかなりの大きさで、しかも食用!

こ んなにきれいな魚を食べてしまうなんてフィリピンの人はなんてもったいないことをするんだ!と憤慨しつつ、エメラルドグリーンにレモンイエローの水玉が 入った魚をバケツに入れてもらった。3匹で80ペソ(約160円)。ワクワクしながら家に飛んで帰り、現地の友人に調理してもらう。2匹はスチーム、1匹 は刺身に!さてその結果。……悪くはないけど、どちらかと言えば、うーん、やはり北海道の勝ちかな~。

けれど、それじゃあフィリピンのきれいな魚を見つけて食べてみたことは無駄だったのか、というとそれは違う。
きれいな魚を食べてみなかったら北海道の地味な魚の良さはわからなかったし、眺めるだけでその姿かたちに心が躍る魚との出会いというのはそれだけで人生の栄養だ。

青 い鳥は旅に出たからこそ家にいたのだと私は思う。チルチルとミチルが自分たちのウチの世界しか見ていなければ、その身近な鳥が青いということも、その価値 にも一生気が付かないままだっただろう。金持ちの国、死者の国、これから生まれ出る赤ん坊の国……、それぞれの国にはそれぞれの青い鳥がいた。それぞれの 青い鳥を見てこそ、自分が求めている青い鳥が何なのか初めてわかるのではないかな、と青い魚の青い骨をかじりながらぼんやりと思う、フィリピンの夕暮れ だった。


written by かおり

SoLライター陣がおすすめするカルチャーアイテム。
今月のテーマは「夫からの印象的なプレゼント」!!


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自分があまり物には執着しないタイプなんだと、30代半ばを過ぎて気づいた。
そんなこともあってか(はたまた言い訳か)今まで、オットから頂いたプレゼントの数々をほとんど覚えていない。
何だか、申し訳ないので「プレゼントはもういらないよ宣言」までしてしまった。


だって欲しい物は自分で選びたい。じーーーーっくり選びたい。
カラスの行水的買い物タイプのオットは5分でいなくなる。
アレ買うからお金ちょうだい、なんて絶対言いたくない。
つくづくプレゼントしがいのない女だよな~~~私。
ってことで、いつしかプレゼントを貰わなくても大丈夫な関係(なんだそりゃ)になっていた。
結婚生活13年にもなると、こんなものだろうか。


そんな可愛くない私にも、先月のX'masにおおきなプレゼントが届いた。
家、である。
中古だけど私たちには贅沢過ぎるほどの一軒家。


しかし転勤族の我が家の場合、家を持つことは、いつかの別居を意味する。
単身赴任なんてありえな~~~い!と言っていた新婚時代。
離れ離れで暮らすなんて、愛と情熱が溢れていた頃は思いもしなかった……。
愛の形というものは変わっていくものなのだ。


彼を決断させた大きな理由は、私の「やりたいことをやりとげさせて」というワガママだった。
けっして良い妻ではなかった私の主張を尊重してくれた、という最大級のプレゼント。


物には執着しないが、想いには答えられるようなタイプでありたい。


written by ナオト