『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』
鉄の女と呼ばれたマーガレット・サッチャーの自伝的回顧録映画で、内容は、メリル・ストリープが演じなければディスカバリーチャンネルかBBC制作のドラマのようでした。
メリル・ストリープの演技が全てのような映画ではありますが、それが素晴らしいので最後まで寝ないで楽しめました。
面白いのは、最後の最後に使われる曲がバッハの平均律クラヴィーア曲集第一番のハ長調(BWV846)だったことでしょうか。
これ、グノーの「アヴェ・マリア」に使われている曲と言うこともあり、最後に流されると何か変な感じがしましたが、制作者側の意図というか、これが政治家マーガレット・サッチャーのイメージなんですかね。
男性社会の中で戦ってきた女性・・・労働者階級出身で階級差別の中で戦ってきた女性・・・強い英国を復活させた女性・・・そんな彼女の生き様が、「程よく調律されたピアノ(クラヴィーア)のためのハ長調の曲」・・・
もっと劇的な調性が合うのかと思いますが、英国の政治史に燦然と輝く実績を残した女性宰相の引退後の今を表現する曲がこれなんですよね。きっと。
心安らかに余生を生きて欲しいと願う制作者の思いがこの曲を選ばせたんでしょうねぇ。
おわり
2012年は、いつも笑顔で!!
