毎日新聞 2013年03月26日 00時05分
権力分立を説いた仏思想家モンテスキューの「法の精神」には「日本の法の無力さ」という章がある。なるほどモンテスキューほどの人ならいくら違憲判決が出ても意に介さない日本政治の将来を見抜いたのか--そう勘違いする方もいよう
▲むろん18世紀の話だから、いくら賢人でもそこまでは予想できない。彼はオランダから伝わる鎖国下の日本の実情を苛酷(かこく)な専制支配と受け止めたらしい。軽罪もすぐに死刑にする日本の法は残酷さの歯止めを失い、かえって人々の凶暴さを抑えられなくなったと言う
▲いくら何でもこれはモンテスキューの勘違いというべきだろう。ただ法を作る人がはなから法を守ろうとしないならば、権力分立の提唱者がそれを「専制」と断じてもおかしくはない。彼が言う「法の精神」は3世紀後の日本でもないがしろにされているようである
▲さすがに司法も堪忍(かんにん)袋(ぶくろ)の緒が切れたというべきか。昨年12月の衆院選の「1票の格差」をめぐる訴訟で広島高裁が広島1、2区の選挙について「違憲で無効」という判決を下した。一連の訴訟では違憲判決が相次いでいるが、選挙の無効判決が出たのは初めてのことだ
▲何しろ最高裁が違憲状態と判断した格差を放置したまま行われた衆院選だった。従来の違憲判決では影響の大きな選挙無効の判断は避けられてきたが、ついに最高裁の違憲審査権を軽視する国会にレッドカードを突きつけた判決である。これぞ三権分立の本領だろう
▲広島高裁判決は選挙無効につき11月までの期限を設け、なお国会に格差是正を求めている。「日本の法は無力か」が問われるわが立法府の崖(がけ)っぷちだ。
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変態新聞が大喜びである。
経済、外交、予算等々国民に大きな影響を与える国家のいち大事に
「立法府の崖(がけ)っぷちだ」と書く現実感の無い視野の狭さ。
こーゆー記事で悦に浸る愚か振り炸裂である。
「違憲で無効」さすが「平和都市」ヒロシマである。
広島裁判所支店の岡山でも「違憲・無効」である。
今回の訴訟の原点は2011年3月の最高裁判決。
あの09年8月の政権交代選挙を「違憲状態」としたことにある。
http://www.ippyo.org/topics/2011040601.html
そして、この判決で示された「区割り改正」の期限は2012年9月23日である。
この期間の政府は民主。
総理大臣は菅、野田である。
本来ならば、2011年3月の最高裁判決によってマスコミは
当時の衆議院を「違憲だ」と騒ぐべきだったのだったし、
「区割り改正」の期限2012年9月23日を超えた段階で
「三権分立が否定された」とか「民主政権に正統性無し」と叫ぶべきだったのではないか。
だが、マスコミは当然ながら
んなことはスルーした。
違憲状態だったのは今に始まったことではない。
そーゆー状態にあるにも関わらず、衆議院は解散され総選挙が行われた。
しかしだ、
今回の衆議院の解散権は誰にあったのか。
野田総理でしょ。
あん時安倍総裁は何度も「宜しいんですね?宜しいんですね?」と聞いたわな。
あの言葉の意味は深かったのである。
あぁ思い出すなぁ。
「党首討論では野田総理勝利」
「あまりのことに安倍総裁しばし呆然」
マスコミは騒いでいたなぁ。
"歴史的"党首討論で突如宣言「16日に解散」政界に衝撃走る(2012/11とくダネ!)
小倉智昭
「考えてみると、いままで歴代の総理大臣だって中々手がのけられなかった消費税増税と定数是正を決めた宰相は・・・」
田崎史郎
「定数削減ですね」
小倉
「ええ、定数削減を決めたことになるんですよね。ある程度道を開いたというか・・・」
「手の付けられなかった消費税増税」に手をつけたは橋本元首相はデフレを招いてしまった。
今のままの増税ではさらにデフレを招くだけで英断でも何でもない。
田崎史郎
「総理大臣の評価は後にされると思いますが、相当高い所に行く総理になるんじゃないかなと」
小倉智昭
「野田さんこれまで劣勢かなと思ってたんですが、昨日に関して言えば、結構安倍さんの方が劣勢に見えましたよねえ」
田中雅美(元水泳選手)
「そうですねえ、野田さんの答弁見てて、野田さんもう一回もう一年ぐらいは首相をやってもらってもいいんじゃないかと思いしまたよねえ。内閣支持率も上がって来るんじゃないかなと思ってるんですけども」
田崎史郎
「昨日は凄く迫力がありましたよねえ」
テレ朝「ワイド!スクランブル」(2012/11/15)
寺崎貴司(司会)
「野田首相が16日に解散しましょうと言った時に、安倍総裁はおおっと、ちょっとびっくりしたという風に見えたけれど、虚をつかれたのではないか、安倍総裁としては」
川村晃司
「確かに昨日の党首討論は何度聞いても気迫は野田さんの方が勝っていて、いわばトリプルカウンターパンチだ。野党には怯んだ様子が見られたし、第三極は準備が出来ていない。自分が民主党の最後の政権として、小泉劇場ではないが、自分が民主党をぶっ壊す、自分が野田劇場の幕を下ろすと言うことがあって、三番目はメディアに嗅ぎつけられる前に自分が戦機を捉えたと」
川村
「怯んでるといったのは、その瞬間に予想していなかったという意味で、自民党に対しても機先を制したという感じが私はする。今戦う時期だという事を気迫で示した。その意味では党首討論は、最後に野田さんが闘う姿勢を示して勝利したと形式的には捉えている」
違憲状態なぞガン無視で「野田勝ち」垂れ流し報道であったのだ。
加えて言うと、選挙制度改革が進まなかった責任は
上記動画にもあるように「連座制」なぞと土台無理でクソ時間のかかる無茶な提案を持ちだし、
全くもってヤル気のなかった政府・民主側にある。
さらに言えば昨今の殆んどの判決は「違憲状態・有効」なわけであり
選挙の全てが「違憲・無効」なワケではない。
「違憲・無効」が出たのは広島1・2区、岡山2区だ。
マスコミの感想、主観、願望は無視し、報道における事実の部分から分かるのは
そもそも前政権が「違憲状態」なのと、
前回の「選挙そのものが違憲・無効なのではない」ということ。
ところがマスコミは「安倍政権の正統性」について論調を繰り広げ、
「政権の正統性は無い」「選挙は無効」と言わんばかりの扱いである。
■「猶予なし」 政治的混乱より平等
■選挙無効判決 司法の怒り受け止めよ(3月26日)
衆院や安倍政権の正統性が疑われる現状を解消するためには、早期に解散・総選挙を行うのが筋だ。
それはそれで構わんが、ならば何故民主政権の時にはそれを声高に叫ばなかったのか、
なぜ、全く選挙改革を行う気のなかった政府、民主を疑問視しなかったのか。
(まぁ、「なぜ」とは書いたが理由なんぞは簡単に察しはつくけども)
こーゆー報道姿勢だからマスコミはマスゴミと言われるのである。
さて、これからマスコミはどう動くか?
安倍憎しに凝り固まる「前回の選挙は無効」という大嘘を掲げに解散を煽るか?
「選挙制度改革」「前回の選挙は無効」を盾に民主が増長するか?
だが、衆参同日選挙で大被害を被るのはマスコミだろうし、
「選挙制度改革」「前回の選挙は無効」を盾に国会で質疑を行えばブーメランが総出動し、
ただでさえ少ない支持がさらに激減するであろう。
支持率70%内閣に喧嘩を売る度胸があるか。
さぁどーでる。
まぁどんな論調になろうとも、
マスコミなんぞ、偉そうに上から目線でガタガタ書き殴り、悦に浸り、
「世論は我々が作るのだ!!」の意識満々なだけで国民のことなどは一切考えていない。
今回の一連の報道だけを見てもそう感じる。
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