「むくおたかむら」と読みます。1992年に亡くなられました。
地味な部門でしたが『美術」という、背景をたんとうしていました。現在のアニメを見ているとたしかにうまいです。ジブリの映画もそうです。しかし1980年前後のアニメの美術背景にはの高レベル作品が密集しています。映画のみではなく、テレビ、週に一本は作る、大量生産品のテレビアニメーションにもです。

ひとつの風景画としてみてもおもわずうなってしまいます。「椋尾篁アニメーション美術画集」という画集がありますが、それをみるとため息がでます。
椋尾氏は「母を訪ねて三千里」の美術をしています。これは演出が高畑勲、作画が小田部氏、設定が宮崎駿氏という、東映動画を抜けた才能のある三人が担当しています。「宮崎さんがレイアウトをしているそばでなにげない顔でうろうろして・・・レイアウトが出来上がるそばから色見本を作って、他の背景のところに送るという作業があったんです。もう消化するだけで大変でした」(アニメージュ81年3月号)
と言っています。確かに宮崎氏がレイアウト指定をしていたがそれに命を吹き込む色は椋尾氏によるものです。宮崎氏の意図を的確に色にしていきます。
「宮崎さんのすばらしい原画は、僕のアニメ美術概念に、もうひとつ幅を持たせてくれた」と言っています。実際に4人でジェノバにいきその場所の空気光と影の色彩、をつかんできます。高畑氏は「南欧人の生活のいぶき」を母を訪ねてで表現したかったといっています。それはかなり出ていたのではないかと思います
続く・・・かな(藁