redstarDensukeのブログ

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日本国内の工場では電気設備の技術基準の規定に

従って3相3線400V配電方式が使用されています。

然しながら、外国ではIEC規格の規定が主流となって

おり、3相4線式が一般的であります。

外国での電気設備の設計を経験されたことのない

技術者には一寸分り難いシステム故、設備の安全設計

をどのようにやったら良いのか戸惑いがあるのが

当たり前です。

IEC規格を見てもそのポイントを理解するには可なりの

知識と経験が必要に思われます。

このための技術資料をサイドバーに提示しています。

電動機に要求される起動トルクは、負荷側の所要トルクとの

関係で適正に設定し電動機メーカに指示し最後に検査レポート

で確認する。

負荷の所要トルクは、機械側より提供されるがその機械の運転

特性より安全な起動トルクでなければなりません。


私が経験した最悪のケースを示しましょう。

機械側の要求は250%以上の起動トルク、これを受けて電気側では

電動機メーカにそのまま指示、製作された電動機の検査レポートでは

起動トルク400%と示されていました。まずこの二つの数値のギャップ

について電動機メーカに問い質したところ、250%以上との要求あり

結果として400%のモータになったとの回答。

更に、電気側のモータ起動盤は6kV直入れ方式でした。


駆動される機械系の特性について調査した所、モータの駆動軸は歯車

減速機を介して回転機軸に接続されており、減速機の安全係数は200%

更に機械の始動トルクは40%以上あれば十分。

この問題解決のために、単巻変圧器を利用したコンドルファ始動法を適用

2次電圧タップは65%とし始動トルクは42%として実質168%の起動トルク

として処理することができました。

軽率で安易な設計は事故のもとです気を付けましょう。

1990年代の初め、南米ベネゼーラでセメント工場の増設工事に

従事した時にヒヤリとした経験を思い出しました。

日本国内では、高圧といえば6kV非接地配電システムが標準として

使用されており、その配電ケーブルには6kV電圧仕様が適用されて

います。

ベネゼーラでは米国システムの影響で非接地式と接地式の2様式が

あり、使用される高圧ケーブルにも夫々に対応したものがあります。

従って、ケーブルを購入する場合はどちらの接地方式に適用するかを

考えて、その導体の絶縁電圧及び対地絶縁電圧を明記しなければ

なりません。

中性点接地方式の配電システムでは非接地式に比べて対地電圧は

低くなりますので、これに適合したケーブルの価格はそれだけ安価な

ものです。


非接地式配電システム(3kV,6kV,11kV,22kV)に適用されるケーブル

には、間違っても対地絶縁電圧の低い中性点接地系統用のケーブルを

使用しないよう電気エンジニアは注意しましょう。

ー日本の常識は世界の非常識ーを忘れずに。