メニューのない「リストランテ アモーレ」 | ソフィアの森の「人生は、エンタテインメントだ!」

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音楽が好きで、映画が好きで始めたブログですが、広告会社退職後「ビジネスの教訓は、すべて音楽業界に学んだ」を掲載しました。

乃木坂にある不思議なレストランでした


伝説の料理人「澤口知之」氏が経営するイタリアン料理店「リストランテ アモーレ」 で会食があった。


私は滅多にない呼ばれる側でしたニコニコ


このレストラン、噂には聞いていましたが、確かにメニューというものがない叫び


メニューがないから値段も分らないガーン


小心者な私など店に足を踏み入れただけで心臓がバクバクしてしまった。


おまけに、厨房の前にあの伝説の料理人が立っている!


この段階で覚悟を決めた。


え~い、どうにでもなれ!と・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


会食の相手は某レコード会社を昨日定年退職したばかりの名プロデュサーSさんです。


Sさんはこの店の常連らしく、気軽なTシャツスタイルで既にシャンパンを飲み始めていました。


そのSさんがどうやってオーダーするのかを見ていたら、こんな具合でした。


「そう、あまり沢山は食べられないから、量は少なめで」


「前菜とパスタとお肉の組み合わせかな?」


「お肉も牛ではなく軽めのもので」


なんて具合に話すと、お店の人が今日の食材から、こんな料理はいかがですか?と尋ねてくる。


それに納得すればオーダーが確定するというわけです。


しかも、その間、値段の話は全く出てこないガーン


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結果、


今日の前菜は伊勢海老のサラダ。


それに雲丹で合えたクリームパスタを少々。


お肉は大皿に盛られた、焼肉店でいうところの豚トロである。


どの料理も美味しかったが、如何せん値段が全く分らないという不安は隠せない。


それでも会話が進み、いつしかシャンパンから白ワインに進んでいく。


ワインのオーダーも「OOOOな感じ」と伝えるだけ。


おまけにテーブルにはフルボトルが置かれず、グラスが空くといつの間にかワインが注がれているといった具合です。


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会食のテーマは、ズバリ以下の本についてでした。


架空の料理 空想の食卓/澤口 知之
¥1,890
Amazon.co.jp


アモーレのオーナーシェフ澤口知之さんとリリー・フランキーさんの対談(?)本です。


この本は超楽しい。


リリー・フランキーさんがテーマごとにエッセーを書き、そのエッセーに合った料理を澤口シェフが作り、最後に二人がその料理について語り合うのです。


例えば


第1章のテーマ「失恋レストラン」には、「リゾット・アマルコルド」


第3章のテーマ「獄中の友に差し入れする料理」には、「幸せの黄色いハンカチ弁当」


第16章のテーマ「宇宙で食べたい料理」には、「ラザーニャ・アベルト」


といった具合です。


この二人の話がとにかく面白い。


もちろん登場する料理の写真も掲載されていますが、どれも色鮮やかで美味しそうにみえる。


この本と二人を案内人にし、そこに極上の音楽とアートを加える。


つまり「料理」と「音楽」と「アート」を組み合わせたテレビ番組を作りたいというのがその日の会食のテーマであり、親会社がテレビ局である広告会社に勤める私が呼ばれたのだ、ということにようやく気づいたときには既にワインがかなり進んだあとでした。


こういう時は危険だ。


ついつい、気持ちが大きくなり、相手の話に同調し、すぐにでもテレビ番組ができてしまいそうなノリになってしまう。


さらにマズイことに!


座が盛り上がってきたところに澤口シェフが本格参戦してきた。


でも会話のきっかけが映画の話で助かった。ニコニコ


いきなり料理の話ではとてもついていけない。


映画なら自信がある。


澤口シェフは私より7歳年下だが、シルバーナ・マンガーノ、ジェーン・ラッセル、マリリン・モンローがお気に入りのようで、室内には彼女達が出演した映画の名場面をコラージュした絵がかかっていた。


そんな話の糸口から会話がどんどん進み、最近見た映画で盛り上がったのが「監督失格」 でした。


残念ながら私は未だ観ていないが、いま最も気になる作品だけに情報だけはインプットされており、会話から落ちこぼれることはなかった。


料理もなくなり、酩酊状態になる前にお暇しようと思ったら、澤口シェフがグラッパを飲みなさい!と半ば強制的に細長いグラスに強烈なグラッパを注がれてしまったショック!


どうやら気に入られたようですが・・・・・・・・・・・・・・


こうなると覚悟を決めるしかない。


最後は新橋の常連サウナで一晩を過ごしました。


「料理」と「音楽」と「映画」と「アート」の話題で盛り上がった、極上な夜でした叫び


しかし、Sさんは一体いくら支払ったのでしょうか・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・