「おしゃれスクール物語(Yoshiko's Story)」第12話 | ファッションをわかりやすく説明するスタイリスト土居コウタロウ ブログ大阪梅田東京新宿

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  ~つまらない毎日を華やいだ日々に変えた服装の魔法☆~


スクールの先生はおっしゃた。

「似合うお洋服の方向性を知るために 一番効果的な方法は、自分の外見の
魅力を知ることです」 と。

「自分本来の魅力を受け入れて、それを引き立たせるお洋服を着ると、皆さん
の魅力の扉が全開になり、そこから様々な人生の可能性が 広がるのです」

先生の言葉を聞きながら、私は クラスメイトのみんなを見まわした。
今や、みんな自分の魅力を受け入れ、自信を持ち、堂々としていた。
もちろん私も同じだった。


やがて、私は気が付いたの。
外見のコンプレックスが少なくなるに従って、内面のコンプレックスも少なく
なってくることに・・・。

先生が、「外見は一番外側の内面です」と 言われたことがあったんだけど、
本当にその通りだと思ったわ。

私は、自分の外見に、「シンプルで純粋な美しさがある」 と認めることができる
にしたがって、 同じように、自分の内面にも「シンプルで純粋な美しさがある」
ということを 認めることができるようになったのかもしれない。

レッスンを重ねる過程の中で、私は外見にも 内面にも、自信を持つことができた
のよ。


私はもうみじめな女の子ではなくなったわ。

そして気が付くと、おしゃれをすることに慣れていて、「いろんなおしゃれをしたい!」
とさえ思えるようになっていたの。

人は、十分に安心感を 感じることで はじめて、「新たなことに挑戦しよう!」という
冒険心を持つことが できるんだって。

私は、私にとって定番の清楚なお洋服だけじゃなく、中性的なかっこいい服、適度な
色気のある服、そして憧れだった 可愛い服までも 着こなせるようになっていったわ。

周囲の人たちも 私の変化に驚いたようで、みんな、「どうしてそんなにおしゃれになっ
たの!?」 と褒めてくれるようになったの。

スクールの先生は言ってくださった。

「良子さんは、本当に成長されました。 おしゃれの基礎体力が上がったってこと
ですね」と・・・。

私が 外見のことで褒められる日が来るなんて、信じられない!



私はある日、以前は全然似合わなかったフリルを 着こなしている自分を鏡で見な
がら、「そうだ。梨香に会いたいなあ」と ふと思ったわ。

そして、おしゃれスクールに通いはじめてから 一年がたった 夏の日、
私は梨香と光一くんに 久しぶりに連絡を取り、新居に遊びに行かせてもらうことに
したの。

今や光一くんも人気俳優となっており、二人は若い成功者になっていた。
住んでいる家も そんな二人にふさわしい、とてもセンスのいい マンションだった。

以前の私なら、足を踏み入れた瞬間に気後れしてしまっていたかも しれない。

でも その時の私は、自分もまた 二人に負けないぐらい輝いているんだ、と
自信を持つことができたから 平気だった。


結婚祝いの花束を持って訪れた 私を見て、光一くんは目を丸くし、とっても驚いた
顏をしたわ。

そしてこう言ったの。

「田中、どうしたんだよ! すごい綺麗になったなあ」

ところが、梨香が言ったのは意外な言葉だったの。



                       ~第13話に続く~