在日の大学生組織について。 | ある在日コリアンの位牌

在日の大学生組織について。

 これまで、テーマ「在日コリアン」では、在日民族組織として大韓民国(=韓国)を支持する「在日本大韓民国民団(=韓国民団)」と、朝鮮民主主義人民共和国(=北朝鮮)を支持する「在日本朝鮮人総連合会(=朝鮮総連)」の2大勢力があることをお伝えしています。

 ところで、在日大学生組織も韓国民団系と朝鮮総連系とに分かれていることをご存知でしょうか。

 韓国民団の傘下団体である在日韓国学生会(通称=学生会)」と 、朝鮮総連の傘下団体である在日本朝鮮留学生同盟(通称=留学同)」です。

 また、上記以外にも、幾つかの在日の大学生組織がありますが、ここでは触れません。

 

 在日韓国学生会は、日本の各大学(或いは専門学校)などに通う在日韓国人学生の団体で学生同士の交流・親睦が主な活動でしょうか。本部を港区にある韓国民団中央本部会館内に置き、その本部が学生たちの集まりの場の中心となります。各学内での組織的な勧誘、オルグ活動はありません。


 一方、留学同は、早稲田大学、慶應大学など日本の主要な各大学内にサークルをつくっています。留学同は、朝鮮高級学校(=朝鮮高校)を卒業して日本の大学に入った学生たちの同窓的な場所となる一方、各学内、学外で、在日学生を勧誘するなどオルグ的な活動も行います。

 また留学同の委員長は、大学生ではなく朝鮮総連の専従者です。在日韓国学生会の会長が大学生であることを考えると、留学同は、単なる学生組織というよりは、政治性を帯びた団体といえます。


 ノンポリで政治的に無色な在日学生が留学同に入ると、思想的に染まっていきます。本人が自覚しようがしまいが多くが朝鮮総連や北朝鮮のシンパとなります。中には組織の活動家になる学生もいるかもしれません。

 説明するまでもなく、留学同は、北朝鮮を無条件支持する朝鮮総連の傘下団体だから、そのように誘導されていきます。


 在日学生を取り込む方法としては、学内では、まず在日学生を把握することから始まります。しかし、これが非常に難しくなっているようです。昔は、大学側から在日学生の名簿などを入手できていたそうですが、個人情報保護法などが成立し、個人情報の流出がますます厳しくなる近年、大学側が在日学生名簿を出すはずもありません。

 では、どうするか? 実は在日学生のほとんどが学内で通名(=日本名)を使用していますが、その通名には、在日であることを嗅ぎ付けることのできる、ある種のキーワードのようなものがあるのです。

 例えば、苗字であれば、「金海」だったら、本名は「金」さんという具合です。金海というのは、金さん「本貫(出身地)」です。「本貫」を日本名にしている在日はたくさんいます。

 また名前についても、例えば、女性なら「淑」「姫」、男性なら「晃」「炳」など、日本人の名前としてはあまり使われない漢字が入っていたりすると、他の要素なども加味され「在日判定」されることになります。

 そうして「在日判定」されると、アプローチが始まります。昔は、学食や教室などで隣に座り、話し掛けたり、メモを渡したりもあったようですが(男子学生には女子学生がアプローチするなども)、今はどうでしょうか?

 一方、学外においてもさまざまな集まりで在日学生の取り込みは行われているようです。


 ところで、近年の北朝鮮の実情は目をおおわんばかりです。食料不足による多数の国民の餓死、拉致・麻薬取引・スーパーノートといわれる偽ドルづくりなどの国家犯罪、核開発・ミサイル発射など周辺諸国を威嚇する政策など。

 私は留学同に出入りする在日学生には、こういった実情も客観的な立場で判断できるような視点を身につけてほしいと思います。

 

 北朝鮮の金正日総書記による軍事独裁政権は、国際社会に背を向けるばかりでなく、北朝鮮の一般大衆を大変、苦しめています。1990年代に北朝鮮では何百万という国民の餓死者を出しました。かつて韓国の軍事独裁政権時代でも、このようなことはありません。国民が大量に餓死するなんて想像もできないことです。

 北朝鮮が自国民に強いる「苦難の行軍」がいかに残酷なものかを知ることができます。このような現状を招いたのは、自然災害ではなく、北朝鮮指導者による人災であることを認識することが必要です。


 北朝鮮は主体の国ではなく、国家犯罪の国、恫喝の国、物乞いの国と見られるようになっています。

 金正日総書記への神格化・個人崇拝が否定され、指導層も一掃されて、北朝鮮国民が飢えに苦しまず、平和と人権を享受できる時代が早く訪れることを切に願います。


韓 光煕, 野村 旗守わが朝鮮総連の罪と罰