お久しぶりです。4年のちのです。
突然現れて何を書くのかと言うと、1年前のこと。
場所は北アルプス、金木戸川双六谷。
いまでも要所要所のハードさがよく思い出される山行です(思い出補正があまりかかっていない・・・?)。
(なんで去年だれも書かなかったんだろう・・・?)

さて
2014年9月1日。
この日はアプローチ。
中央線で松本まで行き、そこから新穂高温泉へのバス。
実は、この前年(2013年)にも金木戸には行っていて(ただし雨で撤退)、その時は松本散策して蕎麦食べたり、沢中で焚火で焼いて食べようとトウモロコシ買ったりしてたんですが、今回は松本では特に何もせず乗換だけ。
使われてない建物の庇の下に入ってビバーク。

9月2日。
まだ暗いうちにタクシーで金木戸川沿いの林道へ。


準備万端!
(のはずだったが、写真真ん中の某氏はヘッドランプをタクシーに置き忘れたことに後で気付く)


最初は9kmくらいこんな感じの林道を進みます。
手掘りのトンネルだ!とか言ってテンションが上がるのも初めのうちだけで、次第に早く終われよと思うようになってくる。
(3時間はかかりましたからね、でも林道だし並んで駄弁りながら歩いていられるからそんなに悪くもないか)



小倉谷出合というところ。ここで林道は終わりで、暗くて崩れていていや~な感じ(前年の感想)の森林軌道跡に入る前に一休み。
きれいな水が期待をふくらませますね。


これが森林軌道跡とは言うものの崩壊し放題の道。確かにところどころ細いレールや細い枕木が転がっているのですが、よくこんなところに線路を引いたものだと思いますね。



写真では大したこと無さそうに見えてしまうけれども、けっこうこわくて、細心の注意を払って進んでいます。
悪戦苦闘すること2時間半・・・



入渓地点だーー!!!
とはいっても、この日はここから少しだけ進んで(泳いで)、ビバークサイト(打込谷出合)着。本番は明日以降ということですね。


ビバークサイトでのCL氏。いやーサマになってます笑

9月3日。
いよいよ本格的に遡行となり、水量渓に苦戦しながらの徒渉を繰り返す。


こんな徒渉、丹沢や奥多摩の沢では無いですからね、北アルプスの壮大さを感じます。


謎の沢中での握手。このシーンにどういう経緯があったかは忘れてしまいましたね・・・w
体とザックを別々にして巨岩の隙間を通り抜けたり、体だけで岩を登って後からロープで荷揚げしたりなど、対処がいろいろ大変でした。
水量の多さに慣れないせいもあってか、想定より時間を費やしてしまい、この日は予定されていた黒部五郎小舎には辿りつけず、沢中のビバークサイト(蓮華谷出合)にてテントを張りました。



9月4日。
黒部五郎小舎へ向けてラストスパート・・・のはずでしたが、途中で問題が発生。
滝を巻くために別の沢に入って巻き下りるはずが、降下するべき地点が見つからず右往左往。
笹薮をかき分けどこか降りられる場所はないかと実に約5時間ものあいだ探したものの、結局は撤退することに。
天気も前日までの晴れとは変わって下り坂になってしまい、雨も降り始めるなか蓮華谷出合まで引き返し、サブルート適用し双六小屋へ進路変更。


写真のシーンでは、生きて帰るぞ!と言っていたのだと思います。
このサブルートではもう大した滝もなく、ただひたすら河原歩きをしていたのだが、強まる雨が辛さを生んでいました。
先の笹薮こぎなどで体力を浪費していたのもあって、へろへろになりつつも進んでいたが、16時過ぎに1か所のビバーク跡を発見。ほぼ沢線の中にあるというひどい場所ではあったものの、とりあえずテントを張り体を休めました。
本来3日間での山行のはずだったので、予備日に突入することになってしまったわけですが、予備食のお茶漬けの素をどの味にするかで妙に盛り上がっていたように覚えています。

9月5日。
雨による増水やテント浸水などが不安だったものの、無事に朝を迎えました。
昨日の行程を考えれば双六小屋まではほんの一瞬のはずだと言い聞かせて雨の中出発。


途中で万年雪が現れ、「かじりつくのがお決まりでしょう」というCLの言葉に従う筆者。



あんなに水量のあった沢も、ここまで来るともう足で跨ぎ越すことができるくらいのチョロチョロです。
お、小屋が見えた・・・!


はたして出発から2時間弱で双六小屋に着き、よかったよかったと一息入れる一同。
このあとはたんたんと登山道を新穂高温泉へと下りていきました。
温泉に入り、松本ではうまい馬刺しなどを食べ、各々帰路につきましたとさ。
下山した後の温泉は最高だなぁとつくづく思いましたね。

この山行を引っ張っていてくれたCL相馬さん、SLツザキ、そして歩荷要員として他メンバーよりも多くの装備を持ってくれた竹内、皆の力があってこその山行だったかなと思っています。私も協力できていたんでしょうかね・・・?