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ニューヨーク、リトル・イタリーで生きる若者たちの青春。
マーティン・スコセッシ監督の初期作品です。作品の舞台と同じニューヨーク、リトル・イタリー出身であるスコセッシ監督自身の体験を基に若者たちの青春を描いています。
チャーリーはリトル・イタリーで権力のある伯父ジョバンニの店を手伝いながら、仲間のトニーの店で酒を飲む日々。それなりの悪さもしてきたであろうチャーリーは教会で懺悔するも、
「教会で罪は贖えない。」
「我々は街や家庭で罪を贖う。」
と考えます。そこで、チャーリーは自らに課せた罰として、仲間のジョニー・ボーイを更生させようとするのですが・・・。
チャーリーは生真面目な男。仁義を通す男なのかなぁ。どんなに自分がつらくなろうともジョニーを助けようとする意志の強さ。人から助けろと言われたわけではなく、自ら決めたことなので、途中で止めても誰にも責められたりはしないはずなのにね。
男としてカッコ良いですよねぇ。
で、チャーリーに迷惑をかけてばかりのジョニー。ホントどうしようもない男です。チャーリーがせっかくお膳立てしてくれた仕事もすっぽかし、仲間のマイケルから借りたお金も踏み倒してばかり。でも、そんなことは気にも留めず、手元にある金はその日のうちに使い果たしてしまいます。
マイケルから責められるチャーリーは、少しでも返すようにジョニーを説得するのですが・・・。
ジョニーは「チャーリーが何とかしてくれる」と安心しきっていたのかなぁ。それとも、皆が言うようにただ単にイカれていたのか・・・。
再三、「ジョニーとは手を切れ」と言われていたチャーリーでしたが、罪を贖うためジョニーを信じ続けるのですが・・・。
チャーリー役にはハーヴェイ・カイテル。こんな真面目な役を彼が演じているのを初めてみたかも。やっぱり、彼はキレまくる役の方が良いかなぁ。もし、彼がジョニーを演じていたら・・・もっと暴力的なジョニーになっていたかもしれませんね。
そのジョニー役にはロバート・デ・ニーロ。やっぱり凄いですねぇ。存在感があり過ぎます。「迷惑な奴だけど憎めない」・・・そんなイメージがデ・ニーロが演じるジョニーから感じられます。でも、「なぜ、チャーリーの気持ちがわからないんだぁ~!」とイライラしてきてしまいますけどね(^_^;
あと、印象に残るのが劇中に流れる音楽ですね。ザ・ロネッツの「BE MY BABY」が流れるオープニングなんて何ともオシャレ。でも基本はロック。スコセッシ監督のロック魂が感じられます。
ラスト。
案の定、マイケルにお金を返すことができないジョニー。チャーリーはこのままではジョニーが殺されると思い、ジョニーを連れて街から逃げようとするのですが・・・。
何でしょう。街の怖さとでも言うのでしょうか。彼らの結末をまったく意に介さない街の人々。人が街を作り、街が人を守る。チャーリーとジョニーは街から罰せられたようでした。
あっ、あとチャーリーの彼女であるテレサ・・・巻き添えを食らった彼女が一番可哀想かも(^_^;
Title:
MEAN STREETS
Country:
USA (1973)
Cast:
(Johnny Boy)ROBERT DE NIRO
(Charlie)HARVEY KEITEL
(Tony)DAVID PROVAL
(Teresa)AMY ROBINSON
(Michael)RICHARD ROMANUS
(Giovanni)CESARE DANOVA
(Mario)VICTOR ARGO
(Joey)GEORGE MEMMOLI
(Jimmy)LENNY SCALETTA
(Diane)JEANNIE BELL
(Oscar)MURRAY MOSTON
Director:
MARTIN SCORSESE
Awards:
National Society of Film Critics Awards, USA 1974
(NSFC Award(Best Supporting Actor))ROBERT DE NIRO
