埼玉のスーパーでも、千葉県産や茨城県産の「新米」が並び始めました。先日5kgのお米をゲットしたので、当分は大丈夫なのですが、私も本日、茨城県産「あきたこまち」新米5kgを買わせていただきました。

これは図書館でお借りして来た本です。

『古事記』の研究とはまた別方向のお話で、古来の日本人が何を考え、何に想いを馳せたのか？そんな原始日本の「信仰」について考察した本でしょうか。

ごめんなさい！もともと私も神様の名前は何でも良くて、キャラクターとしての「推しの神様」は居ますが、特にこだわりはないので、もし誰かを嫌な気持にさせたとしたら申し訳ありません。

私は「象徴」だと思っています。

目には見えない抽象的なもの。例えば「愛」にせよ、「誠実」という概念にせよ、何か名前や形があった方が、そして人の形をしていた方が、私達はそこに想いを乗せやすいですよね。

仏教でも本来は神仏を設定しませんでした。後々の人達が様々な仏像を作り、そこに名前と形と性格を与えました。

観音様は「慈悲」の象徴で、文殊菩薩は知恵の象徴、普賢菩薩は行為の象徴。大日如来は宇宙の象徴であり、悟りを開いた後のスーパーブッダさんの姿でしょうか。（個人的見解です）

私はお墓についてもそう思っていて、私自身は散骨で充分でお墓に入りたいとは思っていませんが、お参りする身としてはね。

やっぱり此処（お墓）に行けば父母に会えるんだ、来週は会いに行こうと、そんな「心の拠り所」としての場所、手を合わせる「対象」があった方が救われますから意味はありますよね。

想いをつなぐ「入口」でしょうか。

ですので私はアマテラスが男性でも女性でもどちらでも良くて、「本当は〇〇神だ」というお話も、エンタメとしては楽しみますが、それ以上の関心はないかもしれません。

さて。そんな前置きをした上で、先ほどの私の「推しの神様」、ご贔屓の神様ですが、地元「氷川神社」のスサノオさんです。

スサノオさんと言えば「八岐のヲロチ」ですが、著者はヤマタは「八つの股」ではなく「山田」であり、この蛇神が毎年やって来て娘を食べるのは、1年の農作業の始まりに合わせて田のあるところに山から下りて来るのだとおっしゃいます。

そして「山田の蛇神」を祭る人々は、年ごとの豊作を願ってその祭祀を行い、「奇稲田姫」はその巫女の象徴であると・・。

もちろんこれも一説に過ぎないのですけれど、「ヤマタ」が「山田」なのだという解釈は、私は初めて聞きましたので新鮮で、個人的には「おーいいね！」と思ってしまいました。

本居宜長は「ミ」は龍蛇を意味するものであり、「岡の蛇神」が「オカミ」で、「水の中の蛇神」が「ミツハ」。海の蛇神が「ワタツミ」であり、山の蛇神が「ヤマツミ」であるとしました。

蛇は世界中の宗教に登場します。山の稜線や川の蛇行にも似ていますし、得体の知れぬ脅威と共に脱皮する習性が、新しい生命への生まれ変わりの象徴でもあるのかもしれませんね。

第一章の「蛇神信仰」では、そんなお話が続きます。

そして「アマテラス」についても、太陽神という性格だけではなく、地母神的な性格があるという論を著者は展開します。

アマテラスの本来の住まいは天岩窟にあって、春に農業活動が始まるのに合わせてそこから出て来て、農作業を助けて豊作に導き、収穫が終わると元の洞窟へ戻っていく。

それは山の神が春になって、新しい農業年が始まる時に里に下りてきて田の神となり、その年に農業生産を成功に導く。そうして収穫が終わると山へ帰って行くという、民間信仰の山の神・田の神信仰と同じなのではないかと・・。

斬新です！

スサノオさんと同様に、アマテラスも食べ物を生産すること、もっと言えば農業と深く関わっているのではないかと、著者は日本人の「信仰の原点」をそこに見る訳で、

そう言ってしまうと、はなはだ夢のない話にはなるのですが、個人的には何だかその方がスッキリしますし、実際にあった民族の争いが神話に描かれていると見るよりは、穏やかでいいなぁと。

スサノオさんは様々な説があるのですよね。「海の大王」・「製鉄の神」・「治水の神」・「木々の神」などなど。さすが神話上のスーパースターです！

スサノオの剣から宗像三女神は産まれますし、初めに「海原を治めなさい」と言われたことからも「水」のイメージが漂いますが、製鉄とお聞きすると「火」の匂いもして来ます。或いは鉄製の農機具なのかもしれませんね。

奇稲田姫の父母は「手名椎・足名椎」で、名前からして田んぼのカカシを彷彿させますよね。「奇稲田姫」は霊妙なる稲の神様。

山からの水で田んぼは潤いますが、暴風雨でも来れば川は氾濫したことでしょう。スサノオさんはそんな水害から「田んぼ」を守った神様なのかも。私はそんな解釈が好きかもしれません。

そしてお米ができるには、水だけではなく太陽が必要ですから、その象徴はやっぱり「アマテラス」さん。

「自然の恵み」ってことで。

アマテラスが「天」から。スサノオさんは「地」から。

さまざまな「自然の恵み」を私達に与えてくださる。

有り難や、有り難やということで。

お米なんていつでも買えるものだと思っていましたから、「5kgの新米」の袋に、手を合わせてしまいました。

お米さえあれば、何とでもなる様な気がして来ます！(^^)

今日もおいしく頂きました。

本日もお読みいただき、感謝です。

●『アマテラスの原風景』／角林文雄（塙選書）