今日は全国的に雨だったようですね。晴れたら藤の花を見に行こうと思っていたので、少し残念でした。

こんな日は、お家でクラシック・・。

30代でクラシックにハマった時はモーツァルトでした。そして再びクラシック熱が再燃している今は、ベートーヴェンのピアノソナタに惹かれています。

自身の年代によって心惹かれるものが微妙に変わるのも、もしかするとクラシック音楽の魅力なのかもしれませんね。

偶然と言えば偶然なのですが、最初にモーツァルトに惹かれたピアノソナタが８番でした。

以前も少し書かせて頂きましたが、ディヌ・リパッティのピアノ演奏を聴いてモーツァルトの曲が好きになり、協奏曲も交響曲も、私のクラシック音楽の全ては、そこから始まりました。

期せずしてベートーヴェンのピアノソナタも、今はどれも好きなのですが、強いて一番好きなものを挙げるとするなら、私はこの「8番ソナタ」かもしれません。

『ピアノソナタ第8番　ハ短調（悲愴）』

最初に惹かれたのは、実は第２楽章でした。

どこかで耳にしたメロディ・・。

当時は曲名さえ知りませんでした。

「あっ！これ。ベートーヴェンだったんだ！」

♪ダ・ダ・ダ・ダ〜ン♪の印象があまりに強く、この穏やかさとベートーヴェンが結びつかなかったのですよね。

新鮮な驚きでした。

そして通して聴いているうちに第３楽章も好きになり、第１楽章があるから第２楽章も際立つのだと、結局、この曲の全てが好きになりました。

購入したCDは、ヴィルヘルム・ケンプの演奏でした。

同じ芸術分野でも、絵画との違いは、音楽は作っただけでは完成しないということなのかもしれませんね。

絵であれば、画家本人が描いたそのものを、見た人が視覚でとらえて誰もが楽しめますけれども、音楽の場合、どんなに素晴らしい曲を作曲家が作ったとしても、誰かが演奏しなければ、その実像が伝わって来ません。

テンポ。強弱のつけ方・・。

演奏者によっても曲の表情は変わる。

そんな一つの曲を聴き比べるという楽しみを私が知ったのも、とても好きになった、このモーツァルトとベートーヴェンの、「８番コンビ？」だったのかもしれません。

ホロヴィッツの一音一音が際立った力強いタッチも胸に染みますし、辻井伸行さんの演奏も素敵ですね。

なんか優しい・・。

「悲愴」という名前が付いていますが、特に第２楽章は、悲しみも苦しみも「大丈夫だよ！」と包み込んでくれるような・・。

今日も一日、お疲れ様でした。

本日もお読みいただき、感謝です。

●ベートーヴェン『ピアノソナタ第8番 ハ短調 （悲愴）』

●ベートーヴェン『ピアノソナタ第8番　ハ短調（悲愴）』