●『源氏物語』読みました | 日々是修行~人生の「道」を求めて

●『源氏物語』読みました

図書館で借りて来ました。瀬戸内寂聴さんの『すらすら読める源氏物語』と迷いましたが、こちらの本です。

 

 

小学館『日本の古典を読む 源氏物語(上・下)』

 

高校生の頃、先生には大変失礼でしたが、理科系志望だった私は「古文」の時間は睡眠の時間でしたし、「歴史」もいまほど興味はなく、どちらかと言えば苦手な科目でしたね。

 

それがどういう経緯でこうなったのか、禅の本を読むようになり、YOGAを始めて、東西の「宗教・哲学」にも興味を持つようになりましたし、また一方では、武道を習い初め、自然に「歴史」を振り返ることも増えて行きました。

 

ただ昔の自分を思うと、今こうして『源氏物語』を手にしているのが、何だかとても不思議な気がします。

 

鈴木大拙さんが「平安文化の特徴は、繊細で女性的で、優美閑雅、感傷的。彼らのいかに涙の多いことか。何かと言うと泣いている。」と、これはこれで現代では若干問題がありそうな発言ですが、実のところ私も同様に思っていた訳で、

 

どうも「ヘナヘナした感じ」がして、平安貴族やその時代自体が私はあまり好きではありませんでしたね。いま思えば、かなりの「偏見」や「決めつけ」があったのだろうと思います。

 

ですが読み始めてみると、物語としては面白く、

なんと壮大な物語なのかと思います。

 

上巻が第一帖「桐壷」から第三十三帖「藤裏葉」まで。

下巻が第三十四帖「若葉上」から第五十四帖「夢浮橋」。

 

三部構成に分けるなら、上巻は第一部に当たり、帝の子として誕生した光源氏が栄華を極めていくところが描かれています。

 

でもこれだけで終わらないのが『源氏物語』。下巻では栄華を極めた光源氏が、絶望的な苦悩に生きる後半生が描かれ、続編とも言える第三部では、光源氏が没した後の時代が舞台です。

 

ただ私が図書館で借りて来たこの本も、全部のお話が載っている訳ではないようで、簡単な解説で端折られているようなので、

 

先日は「順番が逆になりましたが」と書きましたが、私は『紫式部の欲望(酒井順子)』を先に読んでおいて良かったかもしれません。たぶん、いきなりこちらから読み始めたら、話が分からず、やはり挫折していたかもしれないなぁと・・。

 

主人公の光源氏に思い入れをすることはありませんでした。

最後まで「なんだコイツ!(クソ野郎だな)」です。

 

それに対し、それぞれの女性達の人生は、時代背景もあって悲劇的とは言え、なかなかに興味深いものがありました。

 

当時は宮中の人達が読んだのでしょうか?「物語」ですから、それなりに刺激的に書いてあり、当時の人達にとってはハラハラドキドキ、今で言う、ひと昔前のトレンディドラマや昼のメロドラマのような装いだったのかもしれませんね。

 

思えば私がNHKの大河ドラマを見始めたのも、ここ数年のことです。現在放送中の『どうする家康』も、新しい家康像に賛否両論あるようですが、私は「物語」として楽しく拝見していて、

 

そうやってNHK大河を「きっかけ」に、その人物や、その時代背景に興味を持つことになって、私にとっては、いろいろと広がるとても意味のあることだなぁと思っています。

 

明治、鎌倉、戦国と来て、次は平安が舞台。

 

いつの世も、人間というものに注目してみれば、昔も今も変わらないのだなぁと、改めて思います。

 

紫式部が生きたのは、藤原氏全盛の時代。

 

貴族文化と聞くと、とても優雅な印象を持ちますが、平安貴族たちはその優雅さの影で、熾烈な権力闘争を繰り広げ、その舞台となったのが京の都であり、「後宮」だったのだろうと思います。

 

政権を手に入れるため、藤原氏たちは競って娘を帝に入内させ、皇子の誕生を期待しました。その息子が即位すれば、摂政・関白として、思うがままに政治を執ることが出来るからです。

 

藤原氏たちはこの権力闘争に勝つため、娘の身辺に優秀な女房たちを集めました。それが紫式部であり、清少納言です。

 

いまで言うキャリアウーマンでしょうか。苦悩も多かったことと思います。何を想っていたのでしょうね・・。

 

『源氏物語』は、個人的にはもういいかな?

でも、紫式部という人には興味がありますね。

 

時を超え、あれこれ妄想してしまいます。

 

来年の大河も楽しみになりました。

 

本日もお読みいただき、感謝です。