ネットショッピングやサブスクリプションなど、オンラインでお金を使う場面は年々増えていますよね。その一方で、最近はフィッシング詐欺メールが多発。「もしかしてカード情報が流出した?」「不正利用されていたらどうしよう」といった不安の声も少なくないです。
そんな時代背景もあって、「バーチャルカード」と「暗号資産ウォレット」という、安全性を意識した2つの決済ツールが誕生。どちらも物理的なクレジットカードやお財布を持ち歩く必要がなく、スマホだけで支払いが完結します。
また、近年は法定通貨の価値が低下し、逆にビットコインが最高額を更新していることから、特に暗号資産ウォレットは投資の玄関口としても注目されています。実際に、年初にはトランプコインへの投資で億り人になった人も存在。そのため、投資家たちは過去に仮想通貨で1000倍になった銘柄を分析し、次なる爆上げ予測の立つ新しい銘柄を調査し始めています。
とはいえ、バーチャルカードも暗号資産ウォレットも、同じデジタル時代に適したツールでありながら、用途や強みはまったく異なります。では、私たちの生活に安全にフィットするのは、一体どちらなのでしょうか。本記事では、実用的な観点からバーチャルカードと暗号資産ウォレットを徹底比較します。
バーチャルカードってどんなもの?
バーチャルカードは、基本的にはクレジットカードと同じ機能を持っています。明確に異なる点は、形状。クレジットカードが物理的なプラスチックカードである一方で、バーチャルカードはその名の通り"バーチャル"で発行できるものであり、スマホやパソコンの画面上で管理できます。
また、バーチャルカードはプリペイド方式を採用しているため、事前のチャージ金額分を支払に充てることが可能です。後払い方式を採用するバーチャルカードもありますが、使い場合には、通常のクレジットカードと同じように審査が必要となります。
使って感じるメリット
● 不正利用のリスクがあっても、オンライン上ですぐに停止や再発行ができる
● 用途別に複数のカードを発行できるため、支出管理がしやすい
● クレジットカードと違い、審査なしで持てる場合もある
使う前に知っておきたいこと
● 後払い方式をしたい場合、契約時に審査が必要になる
● 銀行口座との連携が前提となることが多く、匿名性は低い
暗号資産ウォレットとは?
暗号資産といえば、ビットコインやイーサリアムといった銘柄がすぐに頭に思い浮かぶでしょう。しかし、これらのデジタルコインを「取引所」に預けたままにしている一般投資家は多いのではないでしょうか。
しかし、2024年に国内取引所「DMMビットコイン」がハッキング被害により、480億円相当のビットコインが流出。この事件のように、取引所における管理は、必ずしも安全であるとは限りません。
そこで、暗号資産ウォレットの出番です。暗号資産ウォレットは、いわば個人で管理できる暗号資産専用のお財布。だだし、お財布とはいえ物理的なものではなく、バーチャルカードと同じでアプリで管理します。
そして、暗号資産ウォレットを活用することで、銀行やクレジットカード会社を介さずに世界中の個人と送金・受け取りが可能に。また、NFTの購入やDeFiの利用など、複数のWeb3サービスにアクセスすることもできます。
使って感じるメリット
● 銀行口座を介さないため、個人間でスピーディに支払いができる
● 実名や個人情報なしでも利用可能で、匿名性が高い
● Web3関連サービスとの相性がいい
使う前に知っておきたいこと
● パスフレーズを忘れるとアプリにログインできなくなるケースも
● 暗号資産の価格は日々変動するため、支払額が想定より高くなることも
● 日本国内ではまだ利用できる実店舗やサービスが限られている
実際の使いやすさで比べてみる
バーチャルカードと暗号資産ウォレットの特徴を説明してきましたが、以下では「日常の使いやすさ」「セキュリティ」「手数料やコスト」といった項目別に、分かりやすく比較していきます。
日常使いのしやすさ
バーチャルカードは、クレジットカードと同じようにAmazonや楽天市場などの通販サイトで使えるため、デジタルに慣れていない人でもすぐに使いこなすことができるはず。
対して暗号資産ウォレットは、一部のブロックチェーンゲーム内での取引に使用できるなど、実用面が増えているとは言え、まだ限定的。また、「秘密鍵」や「トランザクション」のように、Web3における一般用語を知らないと、最初は戸惑うかもしれません。
セキュリティ
バーチャルカードは、不正利用があってもすぐにアプリの設定から、カードを停止できる安心感が魅力。ただし、インターネット環境が整っていることが前提です。
一方で、暗号資産ウォレットは第三者に情報を渡さず、自分の責任で資産を守るスタイル。鍵となるパスフレーズを厳重に管理する必要がありますが、管理できている限り、情報漏洩の可能性はほとんどないと言っても過言ではないでしょう。
手数料やコスト
通常のクレジットカードと同様に、バーチャルカードもカード会社によっては発行手数料や為替手数料が発生します。
暗号資産ウォレットの場合は、送金時に「ガス代」が発生。多くの人が暗号資産取引を行っているタイミングだと、ガス代が普段より高くなることもあります。
どんな人にどっちが合う?
ライフスタイルや目的に合わせて、それぞれのツールがどういう人に向いているのか、下記でまとめました。
バーチャルカードが合う人
バーチャルカードは、Amazonや楽天市場でのネットショッピング、あるいはNetflixやSpotifyなどのサブスクリプションといったように、身近なサービスでの支払いに適していると言えるでしょう。
また、「物理的なカードだとすぐに無くしてしまう」「不正利用が怖い」という気持ちがありつつも、クレジットカードと同じ機能を使いたいという人には、バーチャルカードが合うはずです。
さらに、用途別にカードを分けたり、利用限度額を設定できるため、「今月は使いすぎてないかな?」と不安になることも減ります。
暗号資産ウォレットが合う人
暗号資産ウォレットは、やはりNFTの購入やブロックチェーンゲームなどのWeb3サービスを利用する人にとって欠かせないツールとなります。
また、海外への送金や海外からの報酬受け取りがある人にも便利で、銀行を介さずに即座にやりとりができるため、スピードとコストの面で大きなメリットを享受できるでしょう。
加えて、自分だけがアクセスできる鍵を管理することで、自身の資産を自ら守るというスタイルを実現できます。
まとめ
バーチャルカードと暗号資産ウォレットは、どちらもデジタル時代に生まれた新しい支払い手段。一方で、本記事で紹介してきたように、目的や使い方によって選ぶべきツールは変わります。
日常使いでの便利さを求めるならバーチャルカードですが、自由さや次世代テクノロジーとの親和性を求めるなら暗号資産ウォレット。どちらにも魅力があり、物理的なカードに比べて安全性も備えています。
もちろん、あえて両方を使い分けるのもありでしょう。大事なのは、自分のライフスタイルや価値観に合った方法を選ぶこと。迷う人は、まずは少額から使ってみて、自分に合っていると思える選択肢を見つけてみてください。