只今開催中の『 MOLAS 』
中南米パナマ、クナ族の民族衣装『モラ刺繍展』
を開催しています。
知名度も高いのでご存知の方も多いかと思いますが、
『モラ』について少し書きたいと思います。
モラを着るクナ族は、中南米パナマ東部カリブ海に浮かぶ
300余りからなるサンブラス諸島の島々に暮らしています。
そのクナインディオの女性たちは、
“モラブラウス”といわれる民族衣装を着ています。
クナ語で『モラ』は『服』のことを意味し、色の違う布を
何枚も重ね、模様の形にくりぬいてまつり縫いをする。
簡単に言えば『逆アップリケ』のようなものです。
モラブラウスの源流は、彼らの顔や身体に塗りつけた
ボディーペインティングだと言われています。
ボディーペインティングの目的は、装飾性と魔除けの為で、
赤・黄・青などの目の覚めるような鮮やかな色で、
身体中いたるところ特に顔に描きました。
モラの歴史はサックドレスの裾の部分から始まった
そうで、裸だった上半身を段々と覆う様になり、
身体中に描かれていた模様は、次第に布にも描かれる
ようになったそうです。
初期の頃は丈が膝まであり、身幅もゆったりしていたので、
スカート部がモラで出来たワンピース、といった感じだった
とのこと。のちに現在使われているようなプリント生地が
大量に出回るようになり、服の上から巻くオーバースカート
として用いられるようになると、このモラワンピースの丈は
急速に短くなり、モラの部分がどんどんと胸元まで
上がってきたのです。 前身ごろと後身ごろに
モラ刺繍がされてあり、迷路のような幾何文様や、
鳥・魚・動植物・人など自由奔放にデザインされています。
17世紀後半、海賊船に外科医として乗り込んだ
イギリス人ライオネルウォーファーが、負傷してクナ族に
助けられ、数ヶ月間彼らと暮らした時の様子が
このように語られているそうです。
『 女たちは絵かきだ。とても楽しそうに絵を描く。彼女
たちが一番多く使うお気に入りの色は、目のさめる様に
美しい赤、黄、青である。鳥、動物、人、木などを身体中
いたるところ特に顔に描く。彼女たちが空想のまま描いた
次元の違う絵なのである。 』
EXHIBITION 『 MOLAS 』
今週24日(日)まで店舗にて開催中。
