5年程前、旅中 香川県のある骨董店に入り、
昭和初期の古いラジオを買いました。
すでにその頃から古いものが好きで、たまたま立ち寄った
そのお店のおじさんに、翌日 競り市に連れていって
もらったりして、とてもお世話になりました。
『修行においで』なんて言ってもらいながら、古いものは
好きだけれど、そういうものを扱う仕事に就くとは、
その頃は夢にも思っていなかった。
人生というのは不思議です。
好きになった“きっかけ”というのを、
いつも探すのですが思い当るところがなく。
古建築の家屋に入った時に感じるドキドキ感が
“それ” なんではないかと思うんです。
想像(妄想!?)魔の私は、その建物の歴史の中で
生活がされていた頃のことを想像したり、例えば
あの時、衝動買いしたラジオであれば、当時どんな人が
使っていたのだろうか?とか、数十年経って流れる内容は
違えど、今、同じように聞いている・・・ということが、
なんだか不思議でオモシロい。
歴史を経たそれらが昔のことを教えてくれる。
人の手から人の手へ渡り、あるいは蔵の中、土の中
などで眠っていて、現代まで形として残っている。
凄いことだと思うんですよね。
人から人へ渡ってきたものなら、捨てられることなく
それだけ大事にされてきたということ。
そしてまたそれを受け継ぎ、歴史を重ねる。
バトンを受けたなら残していきたいなぁ~と凄く思う。
ANETAKAのコンセプトであり、こだわりなのが
“手づくり”ということなのですが、NUSHIがいつも言います。
廃棄物にならない何十年、何百年先にも残っていく
ものを作りたい。それを目指したものづくりを心がけています。
キズがキズに、汚れが汚れに見えず、
キズが趣に、変色が風合いに感じられるもの、
そういうものを生み出し、見出していきたいなぁ~。
