カタチに残す | anetaka-blog

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LIVING GALLERY 姉小路高倉-ANETAKA-発信のブログ。
京町家の小さなギャラリーから日々の出来事や楽しいお話、
イベント情報などをお知らせしています。

カタチに残す

タイトルの写真、皆さまにはどの様に見えますか?
ANETAKA へお起こし下さっている方は、ご御存知だと思います。
築70年程の町家を改装して店舗として構える、
LIVING GALLERY 姉小路高倉の外観です。
けれど実際の写真ではなく、模型の写真なんです。
実物の20分の1、ファサード部分の復元模型です。

制作をしたのは 株式会社 さんけい という、京都の模型制作会社です。
ANETAKA にて昨年の10月に ” 京町家復元 ” という
タイトルで企画展を開催しました。
このファサード部分の模型は、幅39cm・高さ39cm・奥行14cm
額の中に納まっています。
模型といえば、地形模型や産業模型、寺院などの
古建築模型など、博物館などで展示されているものですが、
今までの模型の在り方から、発想を変え、
” ミニチュアート ”として箱の中に入れています。


カタチに残す2


模型制作の技術はとにかく凄いの一言で、
とにかくリアルに復元されています。
模型づくりに使用する素材は様々ですが、木造建築の復元など、
基本的には木を使い、親指ほどの小さな鉋で削り、
忠実に組み立てていきます。
勿論、模型なのですが、その過程を見ていると
『 縮尺建築物 』と言えるほどのものです。

細部に至るまでのの復元には、思わず声を上げてしまう程です。
姉小路高倉の模型の他に、京都の老舗の和菓子店と、
昭和30年代の京町家を、同様にミニチュアート小箱に
つくりあげたのですが、その京町家の模型の軒下に、
ツバメの巣が作られていたことに気がついたのは、ごく最近のこと。
下から覗き込まないと見えない位のところにまで
こだわって作られているのには、改めて技と心を感じます。

写真の姉小路高倉の縮尺模型は、外観の写真を撮影したところから
始まり、20分の1で図面を作成し、制作が始まりました。
現存するものならば、図面や同じ様に写真だけで復元
することが可能で、現存しないもので、図面や写真など資料が
残っていなくても、記憶を基にお話を聞き、
復元することも可能なのです。

様々な理由によって、止むを得ず壊さなくてはならない場合も
あると思います。 記憶に残すということ、
絵や写真にして残すということも出来ます。
けれどもっと形あるもので残したい・・・。
株式会社 さんけいは、そんな想いを
技と心でカタチにしてくれる会社です。