いつもの深夜1時。 部屋の明かりを消し、布団の中でスマホの画面だけが青白く私の顔を照らしています。
また、やっていました。
老後資金の計算、インフレ率の予測、年金の受給額の確認。 何度も見たはずの数字を、すがるような気持ちで、また最初から叩き直す。
「あと数千万あれば、私は救われるんだろうか」
「どの銘柄を選べば、この不安は消えるんだろうか」
でも、この20日間、自分の心と向き合いながら「答え合わせ」をしてきて、ようやく分かったんです。
私がスマホの画面の中に探していたのは、「安心」という名のデータではなく、「自分で自分の人生に責任を持つこと」からの逃げ道だったんだ、と。
数字が増えれば安心できると思っていた。
会社が、国が、誰かが守ってくれれば大丈夫だと思っていた。
でも、その「依存」の心が、私から一番大切な「自由」を奪っていた正体でした。
世の中は、これからも私を不安にさせてくるでしょう。
新しい制度、上がる税金、誰かの成功。 それらは、私がコントロールできることではありません。
でも、たった一つだけ、私にコントロールできることがあります。
それは、今日、この瞬間から「自分の手に力を宿す」と決めることです。
誰かに答えを求めるのをやめる。
「普通」という檻から、そっと足を出す。 怪しい魔法を期待せず、自分の頭で考え、自分の不器用な手で価値を生み出す。
その一歩は、これまで見てきた億単位のシミュレーションに比べたら、信じられないくらい小さくて、地味なものかもしれません。
ブログを一つ書いてみる、自分の得意なことを誰かに伝えてみる、世の中の仕組みを「自分事」として勉強し直す。
そんな小さな積み重ねが、いつか「何が起きても、私は私として生きていける」という、鋼のような自己信頼に変わっていく。 それこそが、どんな通帳の残高よりも私を自由にしてくれる、本当の「資産」なのだと確信しています。
私は、もうスマホを置きました。
暗闇に目が慣れてくると、ぼんやりと自分の手のひらが見えます。
これまでは、誰かに差し出される「安心」を待つためだけにあったこの手。
これからは、私の人生を、私の大切な人を守るための「力」を育てるために使っていこう。
怖くないと言えば、嘘になります。
でも、画面の中の冷たい数字に一喜一憂していた昨日よりは、今の私の方がずっと、生きている感じがしています。
さあ、答え合わせは、これでおしまい。
明日からは、新しい私の「物語」が始まります。
不器用な、でも確かな一歩。
私は、私を信じて、進んでみることにしました。
おやすみなさい。 そして、おはよう、新しい私。