泣き虫爺の弁解197208171945 | しま爺の平成夜話+野草生活日記

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水車小屋ちゃんから誘われた。
七月初のことだった。

礼文から稚内へのフェリーの中で、人生の半分の涙を流した。
今思えば、踊り子と別れた学生さんであった。
その少し前、私は初めて青い目の光を感じた。
今でも昨日の飯よりははるかによく覚えている。

ちゃんから聞いた日になった。
泣きながら戻った仙台から、慌ててAJ島行きの準備をする。

AJ行きの船には、ちゃんはいなかった。

(中略)

前田ではないAちゃんが泣き崩れた。
姫の膝枕に宇宙遊泳していた私らを見て悪酔いしたらしい。
Aちゃんは、それを口にした。

テントの中に、姫がすぐ隣に寝てAちゃんの世話をしていた。
なんと、姫の水着が肩に触れ合うところにいた。


(少し前)
さや姉ならぬ寒河江姉様が、叫んだ。
『姫が、島ちゃんと…………』
若かった。馬鹿でもあった。
19時45分くらいだったろう。

(さらに前)
ちゃんに初めて会ったのは、0830ぐらいだった。

礼文の青い目は、明け方だった。



この三つのインシデントは、おそらく一生忘れない。


(後日談)
礼文の写真に、今は亡き令嬢が黄色い声で笑った。
ちゃんは、二度しか見たことがないだいたい色の目をして睨んだ。

姫の家に電話を入れた。
母親が姫の東京の住所を言いかけた。
何故か私は、耳を塞いだ。



私には、私なりの悩みの中にあった。
ちゃんだけには少し話した。