2017/03/05 | しま爺の平成夜話+野草生活日記

しま爺の平成夜話+野草生活日記

世間を少しばかり斜めから見てしまうしま爺さんの短編小説や随筆集などなど
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それはないだろうと言われた。しかし私は憶えている。
多分それは3歳になったばかりだ。
不幸を知らせる電報が届いた。
まだ家には電話がなかったから、たぶんとなりの電話を借りたのだろう。
タクシーを呼んだ。
電話してすぐに、タクシーが来た。あまりに早かった。
その車は、不幸のあった相手の家がよこしたものだった。
そうこうするうちに、頼んだ車もやってきた。
結局、頼んだ車には500円を払って帰ってもらった。
当時の500円といったら、私にとっては膨大な金額であった。
金額まで覚えているのだから、相当貧しかったのだろう。

少し年上のおじさんに話したが、信じてはもらえなかった。
年上のおじさんでさえ、ほとんど覚えてない事だったからである。