【霊界小説】赤雪大魔王終生付添大姉 | しま爺の平成夜話+野草生活日記

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佐久街道を下って東部宿に着くと、左手に丘があり小さな社が見えてくる。
今は、東御東私立幼稚園の庭の一部になっているあたりだ。
家屋がたちならび、今や日陰になってしまったが。


社には、雷電為右衛門の大きな板碑があり、花が欠かせない。

が、その板碑のすぐ脇にある小さな祠のことは、もう忘れられてしまっている。


あの雪村に最後まで添っていた女が、生まれたあたりだとも、現世で遂げられなかった思いをいとおしんで建てられたものだ、とも言われていた。

女は側室だったとも言われるが、事実は今や分からない。


分かることは、雪村には最後まで近くに幼なじみの女がいたというだけである。

かつて、雷電の板碑に落書きした者があったが、後日腰の骨を折って一生寝たきりになったことがある。
雷電様の祟りと恐れられたが、隣の祠は風雪に崩れてはいるが、いまだに健在であり、馬鹿で礼儀知らずの輩のいたずらにも遇わないでいる。




※角界の神様雷電の妻は、印旛沼近くの生まれであり、遠い親戚の子孫にはあの長嶋もいる。