嫉妬の話で思い出したことがある。
最初のフランス出張。
ホテルはジュラの山裾に近いところにある館だった。
で、ここでも私の弱点がでた。
マダムに即ノックアウト。
あとで知ったが、かつてはアラン・ドロンがよく来た花屋の看板娘だったらしい。
旦那といった人が、私には理解できないほど寛容というか、包容力のある人だった。
マダムに付き合って映画に行ってやってくれとか、夕飯に付き合って日本料理屋(看板は日本料理屋だが、実はカンボジア料理店)に行ってくれないかとか、嬉しい依頼をする方だった。
3回目の出張では新工場の関係で、100km離れた町のホテル住まいとなる。
それを聞きつけてか、奥さんの願いで、そのホテルまでやって来てくれ、夕飯をご馳走される。
一度は、新築の自宅にも案内された。
これには驚き感心させられた。
で、腹が立ったのは、マダムと夕飯を食べていた時のことだ。
イタリア牛がやって来て、マダムに今夜どう?みたいことをぬかした。
相手には、イエローモンキーの私は見えないらしい。
この野郎と思った。
マダムはうまくかわしたが、私は実に腹立たしかった。
あれも、ジェラシーの仲間だったのやら。