ロミオとジュリエット
クレオパトラとアントニウス
我々の住む地球では、男女をめぐる悲劇は数えきれない。
しかし、宇宙に目を向けると、これらとは比べものにならない悲劇を知ることになる。
その代表が、七夕の夜だろう。
二人は、晴れた日には会わなければならない。
これは想像を絶する苦行である。
織姫星、つまり琴座ベガの寿命は5億年。
彦星、鷲座アルタイルは20億年。
これを人間感覚にすると、織姫は1秒に数回。
彦星も1秒に1回は会わねばならぬ。
もし彦星がイタリア人の仲間だったら、一生キスを続け、唇や舌が腫れ上がってしまう。
トイレや食事にも行けない。
若い時ならさておき、これは参るだろう。
千日回峰など、比較にならぬ苦行である。
だから、神様はこのあたりを考慮して、1万年くらいは連続して、七夕の夜は雨にしてあげるべきだろう。
天帝とお知り合いの方がいらしたら、ぜひお願いしてくださいな。