梅里雪山
このシリーズ2回目に出てきたカイラスは別格として、中国で一番美しい山はどこかとの問いに、真っ先にでてきそうな山が、この梅里雪山(メイリーシュエシャン)だ。
地元雲南では、梅里雪山の中のそれぞれいくつかある峰を、太子峰とか神女峰、あるいは五冠神山などと呼んでいるようだ。
カイラスに次ぐ、チベット仏教の聖山でもあるらしい。
この梅里雪山には大きな峰が七つあるようだが、アメリカ、イギリス、日本、中国がトライするも、みな失敗。すべて未踏峰であるようだ。
日本人の場合、かつては大きく報じられたが、トライした17名全員が死亡するという事件も起こっている。
一部の話では、神の罰(神の住む山に登ろうとした当然の報い)との地元民の感覚もあったらしい。
なおこれは私の考えであり、中国の文献を調べたわけではないが、梅里とは梅の花咲く里という意味ではなく、桃の里と同様理想郷を意味するものではなかろうか。
雲南には、桃源という村落があった気がする。
よく言われるように、奈良時代あたりまでは、花といったなら梅を意味することが多かった。
これは当時の大陸の影響があるのだろう。
でも、大陸の梅は日本の梅とは違うかもしれない。
かつて梅の花見に連れていかれた時に見たものは、日本では蝋梅と言われるものの仲間だった。