【吉田調書・感情表現】その1;平成23年7月22日分 | しま爺の平成夜話+野草生活日記

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吉田調書に関しては、いろんなところで報道され、菅首相の発言との矛盾などは、細かく報道されていることと思う。
そこで私は、マスコミにはほとんど載らないと思われる、吉田所長の感情が見える部分に注目してみた。


★聴取日 平成23年7月22日

被聴取者;吉田昌郎

21ページ
これははっきり言って、まいってしまっていたんですね。私自身がですね。これはもう大変なことになったと。
ただ、余り大変なこと、大変なことと言ってもしようがないんで、当然のことながら、シビアアクシデントになる可能性が高い。その準備をしないといけない、まず、自分でそう思いました。



27ページ
個別の話はあると思うんですけれども、大きく、非常にまいったなと思ったのはそこですね。ものを取りに行くのに、うちの人間を出さなければならない。忙しいときにやめてくれよと、ジャスト合うものをここまで持ってきてよというのが私どもの強い要望だったんです。



28ページ
まずは安心したんです。
まずは入っていて、自動スクラム(筆者注;自動停止)していると。
地震でスクラムしていると。
まず止まったというのが、最初に安心するんです。スクラムしないと大変なことになります。
スクラムしていた。
次に、DG(筆者注;ディーゼル電源)が自動停止したということで、この2点は少なくともほっとするんです。
いろんな情報が入ってきて、最初に愕然としたのは、全電源喪失、DGが止まった。
これで顔色が変わりました。
間違いなく。
大変なことになったと。


どちらかというと、みんな愕然という感じで、声が上がらないんですね。
とりあえず冷静に、全交流電源ということは10条通報だというような、事務手続にまず行くんですけども、さっきも言いましたように、事務手続に行きながら、気持ちは愕然としている。
キャーとかはない。
みんなそういう感じだった。



39ページ
東京に連絡しても、その辺りは伝わらないですから、ベントの大変さみたいものは、この時点では、早くやれ、早くやれというだけの話です。


電気がないと、全く何もできないんだというふうに、みんなが共通して考えていれば、それは随分考え方をちゃんとやると思うけども、電気が全部あるのが当たり前でなりきっているから、電気がない状態がどういうものかというのは想像ができないで、それ早くやれだの、あれをやればいいだろうだの、すぐいくはずだのというふうに考えてしまうんだと思うんですね。


40ページ
(質問者)何かすごい階層があってね。

(吉田所長)
あります。
ですから、一番遠いのは官邸ですね。
要するに大臣命令が出ればすぐ開くと思っているわけですから、そんなもんじゃないと。



46ページ
そうです。現場の判断です。
これは、私はそこまで言っていません。
私はそこまでわからないというか、逆によくやってくれたなと思っているんですけどもね。



49ページ
実施命令出してできるんだったらやってみろと、極端なことを言うと、そういう精神状態になっていますから、現場が全然うまくいかない状況ですから。



我々は現場で何もできない状態なのに、ぐずぐずしているということで、東京電力に対する怒りが、このベントの実施命令になったかどうかは知りませんけれども、それは本店と官邸の話ですから、私は知りませんということしかないんです。



50ページ
(筆者注;菅総理の現場視察に関して)

(質問者)
何のために来るということだったのですか。
(吉田所長)
知りません。
(質問者)
そういう目的も伝えられず、いきなり来ると。
(吉田所長)
行くよという話しかこちらはもらっていません。
(筆者注;その前の質疑応答で、本店から菅総理の福島への訪問が、わずか1時間前に伝えられている)