少し前に、日本人はアフリカから出た3系統すべてが再度日本で終結したものだと書きました。
ところが、その説を書いた京大の医学博士が、その本のすぐ後に訂正版のようなものを書いていることが分かりました。
内容をしっかり把握できないので、あるいは大きな勘違いをしているかもしれませんが、その理由は以下のようなものだろうと理解しました。
①バイカルやモンゴル付近に移動した北ルートの移動は複雑であり、本来西ルート(西洋など)と南ルート(オセアニア、ポリネシアなど)の遺伝子と思われていたものが、実は北ルートのものであると推定されるようになった。
②これはY染色体からの類推だが、ミトコンドリアDNAや成人T細胞白血球ウィルス、ピロリ菌タイプから類推できるルートと矛盾がない。
③以上から日本人のルートを考えると、沖縄南部などごく一部を除いて、日本人はほぼ100%北ルート由来である。
④ただし、Y染色体D2系統は日本人独自のものだ。
⑤また、Y染色体C1も日本人独自のものだ。
⑥ミトコンドリアM7aは、台湾先住民にも現在住民の漢人にもなく、日本人が台湾経由で北上した説は間違っている可能性が極めて高い。
⑦現代の日本人を考える際には、縄文人、弥生人という集団で考えるには無理がある。
少なくとも10のグループの集まりである。
このような非常に離れたグループの集団が複数集まっている民族は、極めて珍しい。
かつては、骨の形や体型など形質的な比較が重要視されてきました。
しかしこれには、私は子どもの頃から疑問を抱いていました。なぜなら、外見的なものなど、環境や個人個人、あるいは年齢でかなり変わってしまうからです。
やはり、この先生も似たようなお考えであり、過去の形質比較での類推や分類には否定的です。
さあ、そんな先生が、今疑問を投げ掛けたことが書いてあります。
それは明日あたりにでも。
参考文献
勉誠出版
崎谷満著
『新日本人の起源』 神話からDNA科学へ
ISBN978-4-585-05421-4